「水の都」ベネチア 観光客数を抑えるため入場料徴収制度 開始

「水の都」として知られる世界有数の観光地、イタリアのベネチアで、増えすぎた観光客の数を抑えるため、日帰りの観光客を対象に1日5ユーロの入場料を徴収する制度が試験的に始まりました。

イタリアのベネチアでは25日から観光客を対象に入場料を徴収する試験的な運用が始まりました。

中心部の駅前ではさっそく、観光客に入場券の提示を求める市のスタッフの姿が見られました。

ベネチアはユネスコの世界文化遺産にも登録されており、中世の町並みや美しい運河が人気ですが、1日に数万人の観光客が訪れ、「オーバーツーリズム」による環境への悪影響などが懸念されています。

徴収の対象はベネチア本島の旧市街を訪れる日帰りの観光客で入場料は、1人あたり1日5ユーロ、日本円で830円ほどで、市内に宿泊する観光客や、14歳未満は対象になりません。

事前にオンラインで入場券を購入する仕組みで、現地で購入することもできますが、支払わなかった場合は、最高で300ユーロ、日本円でおよそ5万円の罰金も設けられています。

市では、こうした仕組みを、ことしの7月中旬までの週末や、祝日などに試験的に運用し、効果を見極める方針です。

市の観光政策を担当する議員は、「ベネチアは住民と観光客の新しいバランスを見つけようとしており、この仕組みは重要だ」と話していました。