文化庁長官 輪島市で重要文化財などの被害状況を確認

文化庁の都倉俊一長官は25日、石川県輪島市を訪れ、能登半島地震による国の文化財などの被害状況について、地元の住民などから説明を受けました。

都倉長官は国の文化財などの再建に向けて被災地の被害状況を把握しようと25日、輪島市を訪れ、地震で大きな被害を受けた文化財などを視察しました。

このうち、輪島市門前町にある曹洞宗の「総持寺祖院」では、国の登録有形文化財となっている17の歴史的な建造物すべてが被害を受け、都倉長官は寺の担当者から、特に被害が大きかった建造物や地盤が変化した場所などについて説明を受けていました。

このあと、特色ある木造建築が立ち並ぶ黒島地区を訪れ、国の重要文化財に指定されている「旧角海家住宅」が倒壊するなどした被害状況を確認していました。

このなかで、地元住民からは「どのように再建していくか一緒に考えてほしい」といった要望があり、都倉長官は「できれば原型に近い形で再建できるように知恵を絞らないといけない」と答えていました。

都倉長官「文化庁としてもできるだけの援助をしたい」

都倉長官は輪島市を視察したあと、石川県庁で馳知事と会談しました。

会談のあと都倉長官は記者団に対し「実際にいろいろな場所を視察してダメージの深さにびっくりした。なんとかしなければと思った。文化庁としてもできるだけの援助をしたい」と述べました。

そのうえで「水道などのインフラがダメージを受けているので、いろいろな行政機関と連携しないと復興を成し遂げられないと強く感じた」と述べて、県や国の機関との協力が重要だという考えを強調しました。