米 ウクライナに射程の長いミサイル供与「領内で使う」

アメリカ政府高官はロシアからの軍事侵攻が続くウクライナに対して、精密な攻撃が可能とされる射程の長いミサイルを供与していたことを明らかにしました。一方で、ミサイルはウクライナ領内で使用するためのもので、ロシア領土への攻撃を目的としたものではないと強調しました。

アメリカ、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は24日、記者会見で、ウクライナが求めていた精密な攻撃が可能とされる射程の長いミサイル、ATACMSについて「バイデン大統領が2月に相当な数を供与することを命じた」と述べ、先月発表したウクライナへの軍事支援の中に含まれていたことを明らかにしました。

ミサイルはすでにウクライナに届いたということで、今後も供与を続けていくとしています。

一方でサリバン補佐官は、ミサイルについて「ウクライナ領内で使うためのものだ」としてロシア領土への攻撃を目的としたものではないと強調しました。

アメリカのメディアはこのミサイルについて、最大射程がおよそ300キロのものだとしていて、仮にウクライナ南部のヘルソン市から発射した場合、ロシアが一方的に併合した南部クリミアの軍港都市セバストポリも射程に含まれることになります。

アメリカでは、議会での与野党の対立から、ウクライナ支援のための予算案が通らず、資金が底をついたとされてきましたが、今回のミサイルの供与が含まれていた軍事支援については、既存の予算からコスト削減によって捻出した資金を活用したものだとバイデン政権は説明しています。