【25日詳細】ラファ地上作戦 イスラエル国内外で危惧強まる

イスラエル政府は、多くの住民が避難するガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せていますが、作戦を危惧する声は国内外で強まっていて、イスラエル側の対応が注目されています。

※中東情勢に関する日本時間4月25日の動きを随時更新してお伝えします。

“イスラエル政府 人質解放へ新提案検討へ” イスラエルメディア

イスラエル軍は25日もガザ地区に空爆などを行っていて、ガザ地区の保健当局は、これまでに3万4305人が死亡したと発表しています。

イスラエル軍はイスラム組織ハマスの壊滅に向け、およそ120万人の住民が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せていて、住民を別の場所に避難させるための具体的な準備を進めていると伝えられています。

一方、イスラエルの人々からは、いまもハマス側にとらわれている130人以上の人質の解放を優先すべきだとの声が強まっています。

24日も、ハマスが人質の男性の映像を公開したことをきっかけに、エルサレムなどで激しい抗議活動が行われ、「イスラエルは人質も巻き込む軍事作戦を止め、一刻も早く全員の解放を実現すべきだ」などと声を上げていました。

イスラエルのメディアは、こうした批判の高まりを受けてイスラエル政府が25日にも戦時内閣の閣議を開き、人質の解放に向けた新たな提案について検討すると伝えています。

また、アメリカ各地の大学でもイスラエルを非難するデモが相次ぎ、混乱が広がっています。

イスラエルの強硬姿勢に対する国内外からの圧力が強まる中、イスラエルがどのような対応を見せるかが焦点となっています。

“イスラエルが大量のテント調達” 地上作戦準備か ロイター

イスラエル軍は24日もガザ地区各地への攻撃を続け、ガザ地区の保健当局はこれまでに3万4262人が死亡したとしています。

ロイター通信は24日、イスラエル当局者の話として、イスラエルの国防省が南部のラファの住民を別の場所に退避させるために、4万張りのテントを調達したと報じています。

これはイスラエル軍が南部ラファへの地上作戦を始める準備の一環で、今後2週間以内に戦時内閣の閣議を開いて退避計画を承認する見通しだと伝えていて、地上作戦の開始に向け具体的な準備を進めているとの見方が出ています。

また、イスラエル軍は24日、ガザ地区に2つの旅団を新たに配置すると発表し、一部のイスラエルメディアはこれについてもラファへの地上作戦を視野に入れた動きだと伝えています。

米高官 “イスラエル側に地上作戦への懸念訴え続ける”

イスラエル軍が多くの住民が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦を強行する構えを見せる中、アメリカ政府の高官はイスラエル側に引き続き、作戦への懸念を伝えていく考えを示しました。

ロイター通信の報道について、アメリカ ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は24日の記者会見で、先週イスラエル側とオンライン形式で協議を行ったとしたうえで、「われわれの懸念を話しただけでなく、ラファにおけるハマスの脅威に対処しつつ、イスラエルの長期的な安全を確保するには別の方法があるというわれわれの考えについて話し合った」と述べました。

そして、イスラエル側の高官と比較的近い時期に対面で協議するとの見通しを示したうえで、「今後もわれわれの見解を訴え続ける」と述べて引き続き作戦へ懸念を伝えていく考えを示しました。

米各地の大学で抗議デモ続く

アメリカ各地の大学では、イスラエルによるパレスチナへの攻撃に抗議するデモが続き、先週100人以上が警察に拘束されたニューヨークのコロンビア大学では24日、共和党の下院議長が学長の辞任を求めるなど混乱が広がっています。