子どもの自殺“実態調査の徹底を” 遺族団体が国に要望書提出

子どもの自殺が深刻な状況となる中、遺族でつくる団体が国に要望書を提出し、実効性のある対策に向けて実態調査の徹底などを求めました。

厚生労働省によりますと、みずから命を絶った児童・生徒は、
▽おととしは全国で合わせて514人、
▽去年は513人と、2年続けて500人を超えています。

こうした状況を受けて、遺族でつくる団体が24日、子どもの自殺対策を取りまとめるこども家庭庁を訪れ、加藤こども政策担当大臣に要望書を手渡しました。

要望書では、子どもの自殺の6割が原因不明とされている現状を踏まえ、「具体的な対策につながる実態調査が必要だ」としています。

そのうえで、
▽子どもが亡くなった直接の原因などを究明する取り組みで、国がモデル事業として行っている「CDR=チャイルド・デス・レビュー」を全国展開するための体制整備や、
▽精神科医などの専門家が自殺の前後の状況などを遺族から聞き取り、予防に役立てる手法の導入、
それに
▽政策立案に当事者の声を反映させるため、子どもの自殺に関する議論のメンバーに遺族を加えることなどを求めています。

要望した1人で、高校生の弟を亡くした女性は、「自殺した子どもの名誉や、次の命を救うために要望した項目はどれも大事だと思っています。こども家庭庁にはリーダーシップを発揮してほしい」と話していました。