石川 七尾 河内地区 断水解消も過疎化のさらなる進行を懸念

能登半島地震の影響で3か月余りにわたって断水が続いた石川県七尾市中島町の河内地区では今も7割以上の世帯が地区の外で避難生活を続けていて、過疎化がさらに進むことが懸念されています。

七尾市中島町の河内地区では、能登半島地震で地区に供給する水をためていたタンクが壊れるなどしたため復旧工事が続けられ、断水は今月20日、解消されましたが、飲料水として利用するかは水質調査の結果を踏まえて判断することにしています。

このため現在も飲料水を手に入れるためには、市が臨時の設備を取り付けた地区内の浄水場にくみに行くか支援物資の飲料水を受け取る必要があります。

この地区には地震の前は41世帯が暮らしていましたが、断水が長期間続いたことに加え住宅が被害を受けたことから、およそ30世帯が今も地区の外の仮設住宅や親戚の家に避難していて、中には集落を離れることを決めた人もいます。

仮設住宅から家の片付けのために戻っていた80代の女性は「この辺りは地震のあとに空き家になったところが多く誰もいません。長年住んだ家を離れるのは寂しいですがどうしようもないので、ここには戻って来ません」と話していました。

河内町会長の井平秀一さんは「集落全体が一変してしまいました。みんなしかたなく集落を出て行きましたが、水が戻ったので多くの人が帰ってきてくれると祈っています」と話していました。