米体操連盟の性的虐待 捜査遅れで司法省 213億円以上の和解金

アメリカの体操連盟の元チームドクターが長年にわたり女子選手に性的な虐待を繰り返していた問題を巡り、アメリカ司法省は23日、100人以上の被害者に総額でおよそ1億3800万ドル、日本円にして213億円以上の和解金を支払うことで合意したと発表しました。

アメリカでは体操連盟に所属していたチームドクターが長年にわたり複数の女子選手に対し、治療を装って性的な虐待を繰り返していたとして、2018年に最長で禁錮175年の実刑判決を受けました。

この事件を巡って、被害を受けた選手はFBI=連邦捜査局による捜査が遅れたことで被害が拡大したなどと訴えていました。

アメリカ司法省は23日、100人以上の被害者からの訴えに対して、総額でおよそ1億3800万ドル、日本円にして213億円以上に上る和解金を支払うことで合意したと発表しました。

司法省がこれまでにまとめた報告書によりますと、FBIは被害の届けを受けたあとも1年2か月以上、適切な捜査を行わず、この間に少なくとも40人の女性が被害を受けたとしています。

司法省は「被害者の訴えは最初から深刻に受け止められるべきものだった。今回の和解によってチームドクターの仕打ちをなかったことにはできないが、被害者の傷を癒やすための重要な支援の一助となることを望む」とコメントしました。