愛媛 高知 震度6弱の地震から1週間 専門家 “耐震化対策を”

愛媛県と高知県で震度6弱の揺れを観測した地震から24日で1週間です。2つの県と大分県であわせて14人がけがをしたほか、住宅の壁が崩れるなどの被害も各地で相次ぎました。

専門家は、南海トラフ巨大地震などへの備えとして、耐震化対策を急ぐべきだと指摘しています。

4月17日の午後11時すぎ、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、震度6弱の揺れを愛媛県愛南町と高知県宿毛市で観測したほか、震度5強の揺れを愛媛県宇和島市で観測しました。

四国で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降、初めてです。

この地震で愛媛県で9人、高知県で3人、大分県で2人の合わせて14人がけがをしたことが確認されています。

宇和島市では総合体育館の天井が幅およそ15メートルにわたって崩れ落ちたほか、宿毛市では水道管が破裂するなどの被害が相次ぎました。

このほか住宅の壁が崩れたり、屋根瓦が落下したりする被害も各地で相次ぎ、屋根をブルーシートで覆ってしのぐ住宅が各地で見られます。

住宅の修繕について自治体からの費用の補助などの支援策が示されていない中、経済的な理由などから修繕をためらう住民もいます。

今回の地震で現地調査を行った徳島大学環境防災研究センターの蒋景彩センター長は「一見して大きな被害がなくても内部の柱など見えない部分に損傷を受けている可能性もある。南海トラフ巨大地震も予想される中で、これを機に、耐震の診断や工事などの対策を進める必要があり、行政も支援を検討すべきだ」と指摘しています。

気象庁 “地震回数が増加 引き続き注意を”

周辺では地震活動が活発な状態が続いていて、気象庁によりますと、23日までに震度1以上の揺れを観測した地震は60回にのぼっています。

気象庁は以前に比べ地震の回数が多くなっているため、引き続き注意が必要だとしたうえで、南海トラフ巨大地震がいつ起きてもおかしくない状況に変わりはないとして備えを進めるよう呼びかけています。

一方、この地震が起きたのは南海トラフ地震の想定震源域の中でしたが、気象庁は、▽巨大地震との関連を調査する基準よりも地震の規模が小さかったうえ、▽メカニズムも異なるとしています。