NTT 固定電話サービスめぐり試算“携帯電話回線併用で赤字減”

NTTに義務づけている固定電話の全国一律のサービスのあり方をめぐって、NTTは携帯電話回線を併用することで将来予想される事業の赤字を大きく抑えることができるとする試算をまとめました。

NTT法でNTTに義務づけている固定電話の全国一律のサービスをめぐっては、総務省の有識者会議でNTTは、携帯電話を軸にしたサービスに見直すことが望ましいとする立場を示してきました。

こうした中、NTTは23日の会合で、利用者の減少を前提に、今の固定回線をすべて光回線に更新した場合、2035年には年間で770億円の事業の赤字が発生するという試算を明らかにしました。

一方、NTT以外の事業者も義務を負うことを前提に、光回線と携帯電話回線を利用者が選択する形で併用した場合は、赤字額が年間320億円と半分以下に抑えることができると試算しています。

また、ほぼすべてを携帯電話回線に置き換えた場合は、赤字額が年間60億円と大幅に抑えることができると試算しました。

有識者会議のこれまでの議論では、地域によってサービスに差が出る懸念があるという意見や、民営化前の資産を引き継いだNTTが義務を負うべきといった意見も出ています。

有識者会議は、今後も議論を行い、夏ごろをめどにNTT法のあり方について答申をまとめることにしています。