4月の月例経済報告「足踏みも 緩やかに回復」判断据え置き

政府は、今月の月例経済報告で、賃上げで所得環境の改善が見込まれるものの、一部自動車メーカーの生産停止の影響がみられるとして景気の現状について「このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」という判断を据え置きました。

政府は23日、関係閣僚会議を開き、今月の月例経済報告をまとめました。

▽この中で「個人消費」は、春闘での高い水準の賃上げで所得環境の改善が見込まれるものの、一部の自動車メーカーが生産を停止した影響がみられるとして、「持ち直しに足踏みがみられる」という判断を据え置きました。

▽企業の「業況判断」では、「改善している」という見方を維持しましたが、「製造業の一部では一部の自動車メーカーの生産停止の影響がみられる」という表現を加えました。

こうした状況を踏まえ、景気の現状について、「このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している」という判断を据え置きました。

先行きについては、中東情勢の緊迫化や金融市場の変動などが経済に与える影響に十分注意する必要があるとしています。

また会議では、内閣府がことし1月の能登半島地震で被害を受けた工場の生産停止などによる石川県、富山県、新潟県のGDP=国内総生産の影響について、先月までに900億円から1150億円程度押し下げられるという試算を示しました。