サッカー男子 パリ五輪アジア最終予選 日本は韓国に敗れる

パリオリンピックアジア最終予選に臨んでいるサッカー男子、23歳以下の日本代表は22日、1次リーグの第3戦で韓国と対戦し0対1で敗れました。日本は1次リーグを2勝1敗として勝ち点6でグループ2位通過となり、決勝トーナメントの準々決勝で開催国のカタールと対戦します。

チャンス決められず 韓国に敗戦 準々決勝は開催国 カタールと

カタールのドーハで行われているアジア最終予選で、8大会連続のオリンピックを目指す日本は、1次リーグを2連勝して決勝トーナメント進出を決め、22日の第3戦でグループ1位通過をかけて韓国と対戦しました。

日本 前の試合から先発7人を入れ替え

日本は、前の試合から先発メンバーを7人入れ替え、筑波大の19歳のフォワード、内野航太郎選手やディフェンダーの半田陸選手、ミッドフィルダーの田中聡選手などが今大会初めて先発で起用されました。

日本は前半、平河悠選手を中心に左サイドから攻撃を仕掛けましたが、得点には結びつかず、0対0で試合を折り返しました。

後半30分 韓国が先制

後半に入っても日本が押し気味に試合を進めていましたが、30分、韓国のコーナーキックの場面で高い軌道のボールにヘディングで合わされて韓国に先制を許しました。

今大会初めて追いかける展開となった日本は、年齢制限のない日本代表を経験しているフォワードの細谷真大選手やミッドフィルダーの山本理仁選手を投入して猛攻を仕掛けますがチャンスの場面で決めきることができず0対1で敗れました。

日本は1次リーグを2勝1敗として勝ち点6で「グループB」を2位で通過し、25日、決勝トーナメントの準々決勝で「グループA」1位の開催国、カタールと対戦します。

8チームで行われる決勝トーナメントで3位以内に入ればパリオリンピックの出場権を獲得し、4位はアフリカ、ギニアとのプレーオフに回ります。

日本とカタールの試合は、日本時間の25日午後11時から行われ、NHKは総合テレビで中継でお伝えし、NHKプラスで同時配信します。

《試合後 監督・選手談話》

大岩監督「次の試合に切り替えたい」

23歳以下日本代表の大岩剛監督は、試合直後のインタビューで「ぜひ勝ちたかったが、次の試合があるので切り替えたい。決勝トーナメントに入れば相手がどこになろうと厳しい戦いになる。そういったところを想定しながら準備をしたい」と話しました。

先発出場の荒木遼太郎「決定力の課題が出た試合」

UAE戦に続いて先発出場した荒木遼太郎選手は「前節からの決定力の課題が出た試合だった。崩すことはできているが、あとはゴール前の決定力だけだと思う。決勝トーナメントからが本当の戦いだと思ってここからやっていく」と話していました。

途中出場の松木玖生「次勝たないと敗退 絶対にパリの切符を」

後半から途中出場した20歳の松木玖生選手は「負けられない相手だったし、グループ1位で突破をすると臨んだが、セットプレーでやられてしまった。堅いゲームだからこそセットプレーを重要視していたが、そこからの失点だった。後半押し込んだ時間はあったが決めきることができずに、こういう結果になってしまい悔しい」と振り返りました。
そのうえで準々決勝のカタール戦に向けて「次勝たないとトーナメントなので敗退となる。絶対にパリの切符をつかめるよう強い気持ちをもってアウェーのなかしっかりと日本に勝利を届けたい」とことばに力を込めて話しました。

途中出場の佐藤恵允「決めきれず 本当にふがいない」

後半の途中から出場した佐藤恵允選手は、試合終了間際のチャンスでシュートがゴールポストに当たって外れ無得点で終わった試合について「試合終盤に押し込む展開となり、自分も2回か3回チャンスがあったが決めきれず、本当にふがいない。きょうの試合は、極端にいえば、自分のシュートが入らなかったから負けたという捉え方もできる」と悔しさをにじませました。
そして、負けたら終わりのカタールとの準々決勝に向けて「ここからは本当に負けられない戦いが続く。カタールはサポーターも多いし、試合の雰囲気も今までとは違うと思う。その勢いに負けず、自分たちのサッカーができれば勝てる。しっかり決めきる」と意気込みを話しました。

途中出場の細谷真大「決めないと何の意味もない」

後半、1点を追う展開となった直後から途中出場した細谷真大選手は、日本の選手の中で1番最後にメディアの取材エリアに姿を見せました。
目は潤んでいるようにも見え「点を取られたあとだったので、自分のやることははっきりしていた。惜しいところまでいったが、やっぱりゴールを決めないと何の意味もない」と悔しさをにじませました。
そして負けたら終わりのカタールとの準々決勝に向けて「日の丸を背負っている以上、責任と覚悟を持ってプレーしていきたい。点を取れていないが、いつも言っているように自分を信じてゴールを奪いたい。パリに行きたい気持ちが強いほうが勝つと思う」と話していました。

【解説】五輪出場へ 問われる決定力

1次リーグを2位で決勝トーナメントに進んだ日本。3試合で失点は「1」と守備では安定感を見せたものの、フォワード陣の得点は「0」に終わりました。

2連勝で決勝トーナメントに進出し、1次リーグの1位通過をかけて臨んだ韓国戦。前半から主導権を握り、攻め込む場面が続きましたが、引いて守る韓国から得点を奪えずに試合を折り返すと、後半に入っても得点を奪えず、逆に韓国に警戒していたセットプレーから先制点を許しました。

今大会初めて追う展開となった日本は、すでに途中出場していた松木玖生選手や佐藤恵允選手などに加えて、細谷真大選手や山本理仁選手を投入して攻め続けましたが、最後まで得点を奪うことができず、“決定力不足”が顕著に表れた結果となりました。

試合のあと細谷選手は無得点のフォワード陣について「これが今の現実。もっと得点にこだわってやっていかないといけない」とことばを絞り出すように話しました。

次は負けたら終わりの準々決勝。相手は開催国のカタールです。

多くのサポーターでスタジアムは“完全アウェー”の状態が予想される中、キャプテンの藤田 譲瑠チマ選手は「強みの組織力を生かして、自分たちのサッカーができれば勝てる」とふだんどおりの意識で試合に臨む考えを強調しました。

パリオリンピックの切符をつかみとるためにアウェーの中でチャンスを確実に決めきることができるか。ここぞという場面で日本の決定力が問われます。