“中小企業 賃上げ広がるも人件費の価格転嫁は不十分” 国調査

今年度、ベースアップを行う中堅・中小企業は、全体の6割以上に上るという国の調査結果がまとまりました。ただ、同じ調査では、人件費を十分に取引価格に上乗せできていない企業が全体の半数前後に上っていて、持続的な賃上げに向けては、取引先の理解をいかに得ていくかが課題となっています。

この調査は、財務省が4月5日時点で全国の1125社を対象に賃上げの方針などを聞き取ってまとめました。

それによりますと、今年度ベースアップを実施すると回答した企業は
▽大企業で昨年度より3ポイント余り多い81%
▽中堅・中小企業も、昨年度より8ポイント余り多い63%に上り
賃上げの動きの広がりを示す結果となりました。

また、ベースアップの引き上げ率を尋ねたところ、「3%以上」と回答した企業は
▽大企業で68%
▽中堅・中小企業でも52%と
いずれも半数以上に上りました。

一方「人件費を取引価格に上乗せできているか」という質問に対しては、「十分にはできていない」とか、「全くできていない」と回答した企業が
▽大企業で44%
▽中堅・中小企業で50%と
いずれも半数前後に上っていて、賃上げの動きを持続していくためには、いかに取引先の理解を得て、原資を確保していくかが課題となっています。