ガザ地区で子どもの犠牲相次ぐ ユダヤ教の祭日始まるも警戒感

イスラエル軍は22日もパレスチナのガザ地区への攻撃を続けていて、子どもの犠牲が相次いでいます。22日からはユダヤ教の重要な祭日が始まりますが、エルサレムでは車が歩行者に突っ込み、警察がテロ事件として捜査するなど、警戒感も広がっています。

イスラエル軍は22日もガザ地区への空爆を続けていて、地区の保健当局は、これまでに3万4000人以上が死亡したと発表しています。

AP通信などによりますと、南部のラファでは20日から21日にかけての空爆で、子ども18人を含む22人が死亡したということです。

死亡した中には妊娠30週目だった女性もいて、病院に搬送されたときすでに亡くなっていましたが、医師らが緊急の帝王切開を行い、女の子の赤ちゃんが産まれたということです。

女の子の容体は安定しているということですが、体重は1400グラムしかなく、現地からの映像には、医師らが女の子を布にくるみ、口から空気を送り込んでいる様子がうつっています。

空爆では女の子の母親だけでなく父親と3歳の姉も亡くなっていて、病院の医師は「女の子は生まれながらにして孤児になってしまい、大きな悲劇だ」と話していました。

一方、22日からはユダヤ教の重要な祭日「過越しの祭り」が始まります。

エルサレムでは、ユダヤ教の教えを厳格に守る「超正統派」と呼ばれる人たちが多く暮らす地区で22日朝、複数の男性らが路上で立ち話をしていたところに車が突っ込む事件が起きました。

そのあと、2人組の男が車から降りて銃を発砲しようとしましたが、銃が作動せず、その場から立ち去り、警察はテロ事件として捜査していて、祭日の初日を迎える中、警戒感も広がっています。