衆院予算委 首相 政治資金“今週 党独自案の取りまとめ作業”

国会は衆議院予算委員会で集中審議が行われました。自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、岸田総理大臣は、今の国会で政治資金規正法の改正を実現するため今週、党独自の案の取りまとめ作業を進める考えを示しました。

自民 大串正樹氏 先のアメリカ訪問について

▽自民党の大串正樹氏は、先の国賓待遇でのアメリカ訪問について「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け展開してきた新しい外交戦略が結実した訪米だった。どのような戦略が今回の成果につながったのか」と質問しました。

これに対し、岸田総理大臣は「日米両国がグローバルなパートナーとして、どんな未来を次の世代に残すのか。そのために何をしなければならないのかを示したいという思いで取り組んだ。首脳会談や議会演説などを通じてメッセージを伝えることができた」と述べました。

公明 赤羽前国交相 自民政治資金問題について

▽公明党の赤羽 前国土交通大臣は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「法を犯したとの認識と反省があるのか。国民の負託を受けた国会議員としての自覚があるのか。本当に情けないし、恥ずかしい。総理が先頭に立ち、真剣に法改正を実現する覚悟があるなら、すぐにでも自民党案を提示すべきだ」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「わが党としての考え方について、今週取りまとめの作業を与党間の調整と並行して行う予定だ。取りまとめ次第、与党としての考え方を国会の議論で示し、今の国会で間違いなく成立できるよう作業を進めたい」と述べました。

立民 岡田幹事長「裏金問題 根幹が明らかになっていない」

▽立憲民主党の岡田幹事長は「岸田総理大臣には危機感が足りない。これは自民党だけの問題ではなく日本の政治そのものの危機だ。安倍派の『裏金問題』をいつ、誰が、どのような意図を持って始めたのか根幹のところが明らかになっていない。森元総理大臣から『関係なかった』と聞いているから関係ないというのでは説明にはならない」と追及しました。

これに対し岸田総理大臣は「長年にわたり不記載の慣行が続き、派閥として指示が出されていたことを最大限、把握してきた。得られた情報をもとに政治責任も判断した。うわさの域を越えて森元総理大臣の関与を確認できる発言はなく、追加の聴き取り調査でも確認できなかった」と述べました。

岸田首相 森元首相への聴き取り「電話で行った」

また森元総理大臣への聴き取りについて「日程の都合で直接会うことができず、電話で行った」と説明しました。

維新 藤田幹事長 政策活動費について

▽日本維新の会の藤田幹事長は、政党から議員に支給される「政策活動費」について「慣例や慣習に基づき、ある程度、裁量権をもって渡されるが、自民党には検証する機能がない。多額の資金があまりに不透明なままに運用されているのは不適切ではないか」と指摘しました。

これに対し岸田総理大臣は「政党の信頼性を高めるという観点から、党のガバナンスを絶えず見直していかなければならない。国民からみて政治資金を含め党の活動が理解され、信頼されるよう考え、検証していく努力は続けていきたい」と述べました。

岸田首相 パーティー券の購入金額「議論当然ありうる」

また、収支報告書に名前などを記載しなければならないパーティー券の購入金額を、現在の「20万円を超える」から引き下げることについて、岸田総理大臣は「引き下げるべきではないかという議論は国会でも行われており、法改正の議論を、この部分も含めて行うことは当然ありうるものだ」と述べました。

共産 志位議長 自衛隊と米軍の指揮・統制について

▽共産党の志位議長は、日米首脳会談で自衛隊とアメリカ軍のそれぞれの指揮・統制の向上を図っていくと合意したことをめぐり、「アメリカ軍の文書ではシームレスな統合とは指揮・統制のシステムに同盟国を組み込むものだとされている。日本の主権までアメリカに差し出すことを、首脳会談で合意したのではないか」と指摘しました。

これに対し岸田総理大臣は「主権国家として安全保障を考えた場合に、日本の平和憲法の外側にはみ出るなどということは決してあってはならない。しっかりと管理することこそ、政府の大きな責任だ」と述べました。

国民 田中健氏 「調査研究広報滞在費」について

▽国民民主党の田中健氏は、国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、現在の「調査研究広報滞在費」の使いみちの公開について「各党から声が上がっているのだから、岸田総理大臣の判断と意思で進めてほしい。いつまで議論をしているんだという話だ。今の国会で実現するのか」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「具体的な適用項目を何にするかや、透明性をどこまで高めるかを議論するよう党に指示を出した。残されたこの2つの課題を中心に国会で議論を行い、できるかぎり早く結論を出すよう努力する」と述べました。

岸田首相 憲法改正について

憲法改正をめぐり岸田総理大臣は「スケジュールに危機感を感じていないか」と問われ、「時間的な制約を考える時に危機感を感じているのはそのとおりだ。党総裁としての任期中に改正を果たしたいという思いはいささかも変わっておらず、1歩でも2歩でも前進すべく努力を続けていく」と述べました。

岸田首相 能登半島地震への対応について

また能登半島地震への対応をめぐり、岸田総理大臣は、今年度予算の予備費の支出を今週中にも決定する考えを明らかにしました。

岸田首相 小林製薬「紅麹」問題について

一方、小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題をめぐり、岸田総理大臣は「機能性表示食品」に関する制度の見直しの必要性を問われ、「有識者による検討会の議論を経て法改正が必要だと確認できればスピード感を持って行う。必要なものを政府としてもしっかり用意する」と述べました。