IS戦闘員 ロシア敵視もウクライナとの連携は否定

先月モスクワ郊外で発生したテロへの関与が指摘される、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織の戦闘員が、ロシアを敵視する一方で、ウクライナとの連携は否定する映像をNHKは入手しました。

NHKが入手したのは、アフガニスタン東部を拠点とする過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織「ISIS-K」の戦闘員が、先月にモスクワ郊外で発生したテロについて語る映像です。

戦闘員は、自分自身は関わっておらず、実行犯として拘束された人物も知らないとしながらも、今回のテロを「賢明で良い攻撃だ」と述べたうえで「ロシアはイスラム教の国々をひどく抑圧しており、ISとは戦争状態にある」と話し、シリアでISを攻撃するなどしたロシアを、組織として敵視していることを明らかにしました。

また、プーチン政権がテロ事件の背景にウクライナがいると主張していることについて、「われわれの唯一の目的はイスラムの教えに基づいた統治を広げ、イスラム教を強くすることだ。そのために攻撃を行うのであって、どんな国や政府とも連携しない」として、ウクライナとの連携はありえないと指摘しました。

この戦闘員によりますと「ISIS-K」が拠点にしてきたアフガニスタンでは、現地で実権を握るイスラム主義勢力タリバンによる厳しい取締りで活動が抑え込まれているということですが、ISに加わろうという人たちは国内外で今も後を絶たないとしています。

戦闘員は「多くの人は信仰が理由だが自国の政府に不満を持っていたり、生活が苦しかったりしてISに加わる人もいる。攻撃したい場所はどこであろうと簡単に攻撃できる」と話し、今後も攻撃は続くと警告しました。