米比が合同軍事演習 洋上訓練に仏も初参加の予定 中国けん制か

アメリカとフィリピンの両軍からおよそ1万6000人が参加する合同軍事演習が、22日からフィリピンで始まりました。南シナ海の洋上で行われる訓練には、フランス軍も初めて参加する予定で、多国間での演習を通して威圧的な行動を強める中国をけん制するねらいがあるとみられます。

この合同演習はアメリカとフィリピンが毎年行っているもので、ことしは両軍からおよそ1万6000人が参加するほか、フランスとオーストラリアからも合わせて250人が参加して、22日から19日間行われます。

初日の22日は首都マニラにあるフィリピン軍の司令部で開始式が開かれ、ブラウナー参謀総長が「地域の平和と安全を脅かす複雑な課題に取り組む上で、海洋協力が重要だ」とあいさつしました。

演習では
▽南シナ海のフィリピンの排他的経済水域の内側で、フランス海軍の艦船も交えてはじめて3か国で洋上訓練を行うほか
▽南シナ海に面した西部パラワン島に高機動ロケット砲システム=「ハイマース」を運び込んで砲撃訓練を行うなどして、連携を確認するということです。

また、演習には日本をはじめインド、ドイツなど10数か国がオブザーバーとして参加する計画です。

一方、台湾に近い北部の離島で予定されていたパラシュート部隊の降下訓練は、天候を理由にルソン島に変更されました。

フィリピンとしては、南シナ海で領有権を争う中国が威圧的な行動を強める中、多国間での演習を通してけん制するねらいがあるとみられます。