ローイング 森卓也がパリパラリンピックの出場権獲得

21日に韓国で行われた、ローイングのパラリンピック アジア・オセアニア予選の男子シングルスカルの決勝で、日本の森卓也選手は2位でパリ大会の出場権を獲得できませんでしたが、優勝したカザフスタンの選手がルールに違反したとしてレースから除外される処分を受けたため、森選手の順位が繰り上がり、パリ大会の出場権を獲得しました。

ローイングのパリパラリンピック出場権をかけて韓国で開かれていたアジア・オセアニア大陸予選は、最終日の21日、男女のシングルスカルなど3種目の決勝が行われました。

このうち、男子シングルスカルの決勝に出場した森選手は、序盤からカザフスタンの選手にリードされ、最後まで逆転できず、9分40秒52のタイムで2位に終わり、パリ大会の出場権を獲得できませんでした。

しかし、日本ローイング協会によりますと、レース後、優勝したカザフスタンの選手が、ボートと体を固定するベルトにルール違反があったとしてレースから除外される処分を受けたため、森選手の順位が繰り上がって、出場権を獲得したということです。

森選手は初めてのパラリンピック代表内定です。

森卓也選手とは

森卓也選手は兵庫県神戸市出身の49歳。

阪神・淡路大震災で自宅が損壊したため、鳥取県米子市に拠点を移しました。

35歳の時に背骨の中にある神経を守る「脊柱管」が狭くなる病気で、車いす生活となりました。

もともとは砲丸投げの車いすのクラスの選手で、日本代表としてアジアパラ大会に出場するなど活躍していましたが、2020年に練習中に投てき台から落下して右肩の手術をしたあと、肩への負担が少ないローイングに転向しました。

両足が動かない障害があり、腕と肩の力でオールをこぎます。

砲丸投げで培った腕力をいかした、こぐ力が持ち味です。