北朝鮮から少なくとも1発の弾道ミサイル EEZ外落下とみられる

防衛省によりますと、22日午後3時ごろ、北朝鮮内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルが北東の方向に発射されました。

ミサイルは最高高度がおよそ50キロ、飛行距離がおよそ250キロ以上で、朝鮮半島東岸付近の日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されています。

この発射による船舶や航空機への被害の情報はないということです。

北朝鮮がことしになって弾道ミサイルを発射したのは、4月2日以来、4回目で、防衛省が情報収集を進めるとともに警戒と監視を続けています。

韓国の専門家からは、北朝鮮が先月発射した「超大型ロケット砲」と呼ぶ短距離弾道ミサイルの飛行距離も今回と同様に300キロ余りのため、同じ種類の弾道ミサイルではないかという見方が出ています。

飛行距離について通信社の連合ニュースは、韓国中部ケリョンデにある陸海空軍の本部も射程に入っていると伝えています。北朝鮮はことしに入って弾道ミサイルのほかにも、戦略巡航ミサイルなどの発射を繰り返し、性能向上を図っています。

木原防衛相 警戒・監視に万全を期すよう指示

木原防衛大臣は22日夕方、総理大臣官邸で記者団に対し、午後3時ごろ、北朝鮮の内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルが北東方向に向けて発射されたと発表しました。

発射されたミサイルの最高高度は50キロ程度で、およそ250キロ以上飛しょうし、落下したのは朝鮮半島の東岸付近で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるということです。

また木原大臣は防衛省に対し、アメリカ・韓国などと緊密に連携し、情報収集と分析に全力を挙げるとともに、不足の事態の発生に備え、引き続き警戒・監視に万全を期すよう指示したということです。

今回の発射を受けて政府は「わが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすもので国民の安全に関わる重大な問題だ」などとして、北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難したとしています。

岸田首相 国民に対し迅速・的確な情報提供など指示

北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は
▽情報の収集と分析に全力を挙げ 国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと
▽航空機や船舶などの安全確認を徹底すること
▽不測の事態に備え、万全の態勢をとること
を指示しました。

林官房長官「厳重に抗議し強く非難」

林官房長官は、午後の記者会見で「北朝鮮は、少なくとも1発の弾道ミサイルを北東方向に向けて発射した。最高高度は50キロ程度で、およそ250キロ以上飛翔したあと、わが国のEEZ=排他的経済水域外に落下したと推定される。現在までのところ、被害報告などは確認されていない」と述べました。

その上で「国民の安全に関わる重大な問題であり、北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議して強く非難した。引き続き、アメリカや韓国などとも緊密に連携して必要な情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に全力を挙げていく」と述べました。

政府 官邸対策室に緊急参集チーム招集

政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。