エクアドル 治安対策強化問う国民投票 軍の役割拡大など承認へ

麻薬取り引きが絡む犯罪の増加で治安の悪化が進む南米のエクアドルで21日、治安対策の強化などを問う国民投票が行われ、軍の役割を拡大することなどが賛成多数で承認される見通しとなりました。

エクアドルでは、ことし1月に武装集団が西部グアヤキルのテレビ局で生放送中のスタジオを一時占拠したり、各地で犯罪組織のメンバーが警察官や刑務所の職員を人質にとったりするなど、治安の悪化が深刻化しています。

治安対策の強化に向けてエクアドルでは21日、憲法改正などの賛否を問う国民投票が行われました。

地元メディアは、合わせて11の項目のうち、犯罪組織に対応するため軍の役割を拡大することや、テロや殺人、人身売買などの犯罪に対する罰則を強化することなど、9つの項目が賛成多数で承認される見通しだと伝えています。

ノボア大統領は、みずからのSNS上に「犯罪とたたかいエクアドルの家族に平和を取り戻すための手段がさらに増えることになる」と投稿し、投票の結果を歓迎しました。

一方、エクアドルの犯罪組織はメキシコなどの麻薬密売組織の豊富な資金力を後ろ盾に、警察や軍の関係者を買収したり武装したりしているとも指摘されていて、国の統治能力の回復は容易ではないとみられています。