衆院予算委 首相 “政策活動費 党としても共通ルール判断”

国会は衆議院予算委員会で集中審議が行われています。自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、立憲民主党が政党から議員に支給される「政策活動費」の透明性を高めるよう求めたのに対し岸田総理大臣は、自民党としても各党共通のルールがどうあるべきか判断する考えを示しました。

自民 井出庸生氏 「調査研究広報滞在費」めぐり

▽自民党の井出庸生氏は国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、現在の「調査研究広報滞在費」の使いみちや公開の在り方をめぐり「各党から指摘され、自民党の議論でも取り上げられてきた。どういうものが次世代にとって望ましいのか、その姿を示してほしい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「党に対し、支出可能な経費の確定や支出の公開の在り方といった、旧『文通費』の残る課題について各党・各会派との間で議論を再開するよう指示したところだ。自民党として積極的に議論に参加していきたい」と述べました。

立民 岡田幹事長 政治資金問題について

▽立憲民主党の岡田幹事長は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「自民党だけの問題ではなく日本の政治そのものの危機だ。いいかげんなことでは本当に沈んでしまう。透明性が大事だというなら政策活動費の改革も当然で、全部透明にして、何に使ったか明らかにするよう考え直すべきだ」と迫りました。

これに対し岸田総理大臣は「各党共通のルールとしてどこまで透明化するのか議論することに反対しているものではない。政党の資金のあり方全体の中で議論すべきで、自民党も共通のルールとしてどうあるべきなのか判断する」と述べました。

また、安倍派で行われていた所属議員へのキックバックをめぐり、かつて派閥会長を務めた森元総理大臣に対する聴き取りの際に記録を残したか問われ、岸田総理大臣は「私の責任で聴き取り調査を行った。記録はない」と述べました。

立民 岡田幹事長「自民は党の体をなしていない」

立憲民主党の岡田幹事長は、記者団に対し「そもそも自民党の案がいつ出てくるか分からない状況だ。年明け以降、自民党内できちんと議論した形跡はなく今頃になって慌てて出すか出さないかとなっている。この体たらくは、いったい何なんだと感じるし、党の体をなしていない」と述べました。

また、「岸田総理大臣はこの問題を甘く見ていると思うが間違っており、国民は何が起こったのかまず明らかにしてくれと思っている。森元総理大臣のことをうやむやに済ませようとすれば、すべて岸田総理大臣の責任になる。参議院でも予算委員会の集中審議があり、衆参両院で政治改革の特別委員会も始まる。その中で森氏に対し『国会できちんと説明しろ』と求めていかなければならない」と述べました。

共産 志位議長「政治改革の前に真相究明が重要」

共産党の志位議長は、記者会見で「自民党は、肝心の企業・団体献金を見直す気配が全く無い。私たちは、企業・団体献金の禁止や政党助成制度の廃止を求めていくが、政治改革の前に真相究明が重要だ。『党内の処分を適当に済ませて逃げきろう』ということだが、何も解決しておらず、引き続き徹底的に追及していく」と述べました。