イスラエル首相 パレスチナ側への攻勢強める姿勢 改めて示す

イスラエルのネタニヤフ首相は、イランとの対立を深める一方で「今後、数日間でハマスへの軍事的・政治的圧力を強めていく」と述べるなど、パレスチナ側への攻勢も強める姿勢を改めて示しました。

ネタニヤフ首相は21日の演説で、イスラム組織ハマスが人質の解放に向けた提案を拒否してきたと主張したうえで、「今後、数日間でハマスへの軍事的・政治的圧力を強めていく。なぜならそれが人質を解放する唯一の方法だからだ」と述べ、ハマスへの攻勢を強める姿勢を改めて強調しました。

こうした中、イスラエル軍は21日もガザ地区南部のラファの中心部などを空爆し、現地にいるNHKのカメラマンが市街地から煙が上がる様子を撮影しました。

ガザ地区の保健当局は21日、この24時間でさらに48人が死亡し、これまでの死者は3万4097人にのぼったと発表しています。

また、イスラエル軍はパレスチナ暫定自治区、ヨルダン川西岸のトルカレムにも18日から3日間にわたって侵攻して武装勢力と激しい戦闘となり、パレスチナ暫定自治政府は14人が死亡したと発表しました。

トルカレムで撮影された映像では、住宅地が大きく破壊されブルドーザーでがれきの撤去を進めている様子が確認できます。

ヨルダン川西岸へのイスラエル軍による攻撃について、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は「ヨルダン川西岸の状況は日に日に悪化している。イスラエル側の最近の作戦は人命の損失に加え、家屋や公共サービスに深刻な被害をもたらした」とSNSに投稿して、被害状況への懸念を示しました。