岸田首相 靖国神社の春の例大祭にあわせて「真榊」奉納

21日から始まった靖国神社の春の例大祭にあわせて岸田総理大臣は「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

東京 九段の靖国神社では、21日から3日間、春の例大祭が開かれます。

これにあわせて、岸田総理大臣は「内閣総理大臣 岸田文雄」と記した木札を添えて、「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

一方、関係者によりますと、岸田総理大臣は、例大祭の期間中、参拝は行わないということです。

3年前の就任以降、岸田総理大臣は、春と秋の例大祭では、安倍元総理大臣らの対応を踏襲して、「真榊」を奉納しているほか、毎年「終戦の日」には自民党総裁として私費で玉串料を納めています。

韓国「深い失望と遺憾の意」

岸田総理大臣が、靖国神社に「真榊」を奉納したことなどを受けて、韓国外務省は21日、報道官の論評を発表しました。

この中では「過去の侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀した靖国神社に日本の責任ある指導者たちが再び供え物を奉納したり、参拝を繰り返したりしたことに深い失望と遺憾の意を表する」としています。

そして「日本の責任ある人たちが歴史を直視し、過去に対する謙虚な省察と真の反省を行動で示すことを促す。それは未来志向的な韓日関係発展の重要な土台だ」としています。

林官房長官「首相は私人の立場で奉納したもの」

岸田総理大臣が、靖国神社に「真榊」と呼ばれる供え物を奉納したことなどに中国と韓国が反発や遺憾の意を示していることについて、林官房長官は、あくまで私人の立場で行われたものだとする一方、国ために亡くなった人に尊崇の念を表すのは当然だとの認識を示しました。

岸田総理大臣が21日、靖国神社の春の例大祭に合わせて「真榊」と呼ばれる供え物を奉納したことなどをめぐっては、中国が「被害を受けた国の国民感情を傷つけるもので、断固反対する」と反発しているほか、韓国も深い失望と遺憾の意を示しました。

これについて、林官房長官は午前の記者会見で「岸田総理大臣は、私人の立場で奉納したものと理解しており、政府として見解を申し上げるべき事柄ではない」と述べました。

そのうえで「どの国であれ、国のために命をささげた方々に尊崇の念を表することは当然だ。日本としては今後とも、隣国である中国や韓国を含む国々との関係を強化していく方針に変わりはない」と述べました。