日本への野球伝来 時期に新説 NPBで野球の歴史を調査

野球がアメリカから日本に伝わった時期についてこれまで定説とされてきた1872年よりも1年早い可能性があるという新たな説が発表されました。

これはニューヨーク州クーパーズタウンにある「アメリカ野球殿堂博物館」で19日に行われた19世紀の野球についての研究発表会の中で、NPB=日本野球機構で野球の歴史について調査をしている伊藤修久さんが発表しました。

日本に野球が伝わったのは、英語教師として来日したアメリカ人のホーレス・ウィルソンが1872年に生徒たちに野球を教えたのが最初というのが定説となっていますが、伊藤さんの発表によると、その1年前に当たる1871年に、大阪でアメリカの水兵から日本人に伝えられた可能性があるということです。

伊藤さんは15年ほど前にNPB事務局を掃除していた際に見つけた手紙をきっかけに調査を進めたということで、1971年に当時のコミッショナー宛に匿名の人物から送られたというこの手紙に、1871年に「大阪の川口地区にあった外国人の居留地で、日本の陸軍の兵士がアメリカの水兵から野球を教わり、試合をした」と書かれていたと説明しました。

さらに、伊藤さんは当時のアメリカ海軍の「コロラド号」という軍艦の航海日誌などを調べ手紙の内容と一致する記述を見つけたということです。

伊藤さんは「まだわからないことがたくさんあるので、引き続き調査は続けたい。これをきっかけに日本の野球ファンにも野球の歴史に興味を持ってほしい」と話していました。