津波予測「状況や見通しをさらに丁寧に伝える」気象庁 報告書

大規模な地震の際に津波が長く続いた場合、変化する津波の状況などの情報をどのように伝えるか議論してきた気象庁の検討会は津波の予測には不確実性があることもふまえ、状況や見通しを記者会見などを通じてさらに丁寧に伝えるなどとする報告書をまとめました。

2011年の東北地方太平洋沖地震では北海道から四国にかけての太平洋沿岸などに大津波警報が発表され東北では一日余り継続したほか、すべての津波注意報が解除されたのは地震発生から2日余りたってからでした。

巨大地震と津波をきっかけに気象庁は直後に発表する津波警報などで迅速な避難につなげることに重点を置いた情報の改善を行いました。

大規模な地震の際には津波が長く続くため、警報なども長時間に及んで避難や救助活動に影響もあることから、気象庁は専門家による検討会を設けて議論を続け、19日報告書を公表しました。

それによりますと、
大津波警報や津波警報が長時間継続すると予想される場合には、
▽住民に避難を続けてもらうとともに
▽消防などの防災機関が人員配置や被災リスクの高い地域での活動について判断するために詳細な情報提供が必要だと指摘しています。

そのうえで、
大地震による津波が発生した際には記者会見などの場を活用して
▽過去の事例から推測される津波の継続時間や
▽警報を発表し続けている根拠をていねいに解説するとともに、
▽満潮時刻の前に潮位がより高くなることなどの注意喚起を行うとしています。

気象庁は報告書の提言を踏まえて対応することにしていて「津波が長時間続いたときの解説を充実させるとともに、津波の特徴などについてふだんから関係機関への説明や啓発に力を入れていきたい」とコメントしています。