大相撲 12年ぶり運動能力検査を実施 入門者減少に歯止めを

大相撲の入門者の減少に歯止めをかけようと、日本相撲協会は体格の基準を満たしていない希望者でも運動能力が十分と判断される場合は入門を認めることになり、19日、12年ぶりに運動能力を測定する検査が東京 両国の国技館で行われました。

日本相撲協会は去年、入門希望者の体格の基準、身長1メートル67センチ以上、体重67キロ以上を満たさない場合でも運動能力を測定する検査で能力が十分だと認められれば合格とする方針を決めました。

これを受けて19日、東京 両国の国技館で12年ぶりに運動能力の検査が行われ、身長が1メートル59センチと基準を満たしていないものの、佐渡ヶ嶽部屋に入門を希望する15歳の元村康誠さんが受検しました。

元村さんは協会の審判部の親方衆が見守る中、握力や上体起こしの回数、50メートル走のタイムなど7つの項目について測定し、合計点で基準を満たしたため、この検査に合格しました、今後は、来月2日に行われる新弟子検査に進み、健康面で問題がなければ正式に合格となります。

元村さんは「ほっとしています。大相撲に入るのが夢だったのできょうはやりきろうと思っていた。動いて技をかけて勝っていきたい」と意気込みを話していました。

大相撲の入門希望者は平成4年の223人以降、減少傾向が続き、去年は年6場所制が定着した昭和33年以降では最も少ない53人にまで落ち込みました。

以前も体格の基準に満たなくても、運動能力を測定する検査で合格すれば力士となれる時期もありましたが基準の緩和に伴って平成24年には廃止されていました。

元村さんをスカウトした佐渡ヶ嶽部屋の部屋付き親方で元大関 琴奨菊の秀ノ山親方は「規定が変わって、強い気持ちがあれば入門ができるとすぐに本人に伝えた。自分もほっとした。大相撲を目指したい子が入門できるのはありがたい」と話していました。

高田川親方「小さくても意欲ある力士が入ってくれたら」

検査を担当した日本相撲協会審判部の部長を務める高田川親方は「小さくても意欲のある力士がどんどん入ってきてくれたら本場所もおもしろい相撲が増えてくると思う。小さくても強くなれることを見せられる力士になれば今後にもつながっていくと思う」と入門者の増加につながることを期待していました。