東京医大入試汚職事件 前理事長ら2審も有罪判決 東京高裁

私立大学の支援事業で便宜を図ってもらう見返りに文部科学省の元局長の息子を東京医科大学に不正に合格させたとして贈賄の罪に問われた大学の前理事長や前学長に対し、2審の東京高等裁判所は無罪の主張を退け、1審に続き執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。

東京医科大学の前理事長、臼井正彦被告(83)と、前学長の鈴木衞被告(74)は、私立大学の支援事業で便宜を図ってもらう見返りに、6年前、文部科学省元局長の佐野太被告(64)の息子を不正に合格させたとして、贈賄の罪に問われ、無罪を主張しています。

19日の2審の判決で東京高等裁判所の齊藤啓昭裁判長は、元局長と前理事長らのやり取りについて「元局長の息子の入試の得点が合格基準に達しない場合には点数を加え、不正に合格させることを共通に認識していた。元局長が支援事業をめぐり助言や指導を行った」と指摘しました。

そして贈賄の意図があったと認め、1審に続き、臼井前理事長に懲役1年6か月、執行猶予4年、鈴木前学長に懲役1年、執行猶予2年の有罪を言い渡しました。

また、受託収賄ほう助などの罪に問われた医療コンサルタント会社の元役員、谷口浩司被告(53)についても無罪の主張を退け、懲役2年、執行猶予5年を言い渡しました。