石川「能登金剛」の観光遊覧船 大型連休中の再開目指し準備

能登半島地震の影響で運航を見合わせていた、石川県志賀町の景勝地「能登金剛」の観光遊覧船は、大型連休中の再開を目指して準備作業が進められています。

「能登金剛」は切り立った岩場などが連なる海沿いの景勝地で、例年3月から地元の事業者が遊覧船を運航していましたが、3隻のうち津波で2隻が流され、船体が損傷したことなどからことしは運航を見合わせていました。

しかし、地元の人たちを励まそうと、事業者は津波の被害を受けなかった1隻を使って大型連休にあわせて運航を再開する方針を決め、準備作業が進められています。

19日は2人の従業員が、はけやローラーを使って遊覧船の塗装を塗り直し、乗客を迎える準備をしていました。

事業者によりますと周辺の海底は地震で20センチほど隆起したとみられるということですが、遊覧船の航行には十分な深さがあり、来週には試運転を行う予定だということです。

「能登金剛遊覧船」の木谷茂之代表は「大型連休にあわせて地元に戻ってくる被災者にも乗船してもらい、心の安らぎにつながればうれしいです」と話していました。

一方、「能登金剛」のうち、多くの人が訪れていた「巌門」と呼ばれる洞窟は地震による落石で通行止めになっていて、県によりますと解除の見通しは立っていないということです。