【19日詳細】パレスチナ国連加盟めぐる決議案 米が拒否権行使

ガザ地区での戦闘が続く中、パレスチナを国連の正式な加盟国とするよう勧告する決議案が、安全保障理事会で採決にかけられ、理事国15か国のうち日本を含む12か国が賛成しましたが、アメリカが拒否権を行使して否決されました。

また、アメリカの複数のメディアは政府当局者の話として、イスラエルがイランを攻撃したと伝えていて、イランの大規模攻撃に対する対抗措置に踏み切ったものとみられます。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間4月19日の動きを随時更新してお伝えします。

国連安保理で採決 アメリカが拒否権行使 否決

パレスチナは現在、国連で加盟国ではない「オブザーバー国家」の地位にありますが、ガザ地区で戦闘が続く中、将来のパレスチナ国家の樹立とイスラエルとの「2国家共存」への道筋をつくるべきだとして、アラブ諸国を代表してアルジェリアが、正式な加盟を勧告する決議案を安保理に提出していました。

国連への加盟が認められるには、安保理で勧告の決議が採択された上で、総会で3分の2以上の賛成を得る必要があります。

18日午後、日本時間の19日に行われた採決の結果、理事国15か国のうち日本やフランスなど12か国が賛成しましたが、イギリスとスイスが棄権し、アメリカが拒否権を行使して決議案は否決されました。

賛成した国のうち、日本の中東和平担当特使の上村政府代表は、ガザ地区の厳しい状況に言及した上で、「当事者間の平和的な交渉を通じてパレスチナ国家の樹立を促すという観点に立って賛成した」と説明しました。

一方、アメリカのウッド国連次席大使は、拒否権を行使した理由について、「決議案が想定するパレスチナ国家と不可分なガザ地区で、いまもテロ組織のハマスが権力と影響力を行使している」などと述べ、あくまでもイスラエルとパレスチナの直接交渉による解決が必要だと強調しました。

“イスラエルがイランを攻撃” 対抗措置か 米メディア

アメリカの複数のメディアは政府当局者の話として、イスラエルがイランを攻撃したと伝え、4月13日から14日にかけてのイランの大規模攻撃に対する対抗措置に踏み切ったものとみられます。

一方、イランのメディアは、イラン中部のイスファハン州で爆発音があり、無人機を迎撃したものだと伝えていて、核施設を含めた重要施設に被害は出ていないとしています。

エジプト 双方に自制を呼びかける声明

ガザ地区で戦闘が続くイスラエルとイスラム組織ハマスとの交渉で、仲介役を担っているエジプトの外務省報道官は19日、声明をSNSで発表しました。

このなかで、「エジプトはイランとイスラエル双方による、緊張の高まりに懸念を示す。紛争拡大の危険性と地域の不安定化を避けるため、両国に対して、最大限の自制を求める」などとして、これ以上、攻撃の応酬を行わないよう双方に自制を呼びかけました。

そのうえで、「エジプトは緊張緩和のため引き続き、関係国との連携を続ける」と投稿しました。

イスラエル シリアにもミサイル攻撃か

シリアの国営通信は19日、軍関係者の話として「午前2時55分ごろ、シリア南部の空軍施設に対して、イスラエル軍がミサイル攻撃を行い、物的な被害がでている」と伝えました。
シリアでは、4月1日に首都ダマスカスにあるイラン大使館が攻撃を受け、今回の事態の発端となったほか、イスラエル軍はイランの支援を受ける民兵組織の関連施設などをたびたび空爆しています。