アメリカとイギリス イランへの制裁発表 無人機攻撃など受け

イランがイスラエルに対し無人機などによる大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、アメリカ政府は18日、無人機の製造に関与したなどとして、イランの企業やその幹部など2つの団体と16人に対し資産凍結などの制裁を科したと発表しました。

イランはシリアにあるイラン大使館がイスラエルの攻撃を受けたことへの報復として、今月13日から14日にかけてイスラエルに向けてミサイルや無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けました。

これを受けてイスラエルと同盟関係にあるアメリカ政府は18日声明を出し、無人機の製造に関与したなどとして、イランの企業やその幹部など、2つの団体と16人に対し資産凍結などの制裁を科したと発表しました。

バイデン大統領も18日声明を発表し、イランによる攻撃のあとG7=主要7か国の首脳と協議したとしたうえで「われわれは、イランへの経済的な圧力を強めるため団結して行動する」として、引き続き同盟国や友好国と連携しながらイランへの圧力を強めていく考えを強調しました。

イギリスもイランへの制裁を発表

イギリス政府は18日アメリカ政府と歩調を合わせる形で、ミサイルの製造に関与したなどとされるイランの企業の幹部ら7人と革命防衛隊の海軍など6つの団体に対し、資産凍結などの制裁を科したと発表しました。

スナク首相は声明でイランによるイスラエルへの大規模攻撃を「無謀で、危険なエスカレーションだ」などと非難したうえで「攻撃の首謀者たちに制裁を科した」と主張しました。

米の経済制裁の影響 日本企業のビジネスも停滞

イランではアメリカによる経済制裁が続いている影響で、日本企業のビジネスも停滞した状況となっています。

外務省の海外進出日系企業拠点数調査によりますと、イランにある日本企業の拠点数は、おととし10月時点で22か所となっていて、前の年から3か所減っています。

また、財務省の貿易統計をもとにJETRO=日本貿易振興機構がまとめたところ、日本とイランの貿易額はアメリカがイランへの経済制裁を再開した2018年以降、大幅に減少した状況が続いています。

日本からの輸出額は2018年の7億ドル余りから、おととしには5100万ドル余りに減少していて、主な品目は電気機器や化学製品などです。

一方、日本への輸入額は、2018年の34億6000万ドル余りから、おととしには3500万ドル余りに減少しました。

輸入品目では繊維製品や織物用の糸、食料品で全体の95%を占めているということです。

日本はイランへの経済制裁を2016年に解除しましたが、アメリカによる経済制裁が続いている影響で現地への進出や貿易の面で停滞した状況となっています。