政府 地震調査委員会 南海トラフ地震“特段の変化観測されず”

17日夜遅く、愛媛県と高知県で震度6弱の揺れを観測した地震について、政府の地震調査委員会は「南海トラフ地震が起きる可能性がふだんと比べて高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」と評価したうえで、巨大地震の切迫性が高い状態は続いているとして、日頃からの備えを呼びかけました。

政府の地震調査員会は18日、臨時の会合を開き、17日午後11時すぎに発生した豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震について分析しました。

その結果、豊後水道では今も活発な地震活動が続いているとした一方、現時点では周辺で地殻変動の観測データなどに顕著な変化は確認されていないと指摘しました。

また、今回の震源付近では今月11日ごろから「低周波地震」と呼ばれる小規模な地震活動が確認されていましたが、ふだんから起きている現象で震度6弱を観測した地震の前後で活動に変化はないということです。

こうしたことから「南海トラフ地震の想定震源域で起きた地震であるが、大規模地震が発生する可能性がふだんと比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」と評価しました。

委員長を務める東京大学の平田直名誉教授は「あくまでもふだんと比べて特段の変化を示すデータを得られなかったという評価をしただけで、南海トラフ地震は何の前触れもなく起きる可能性が高いため安心してはいけない。いつ巨大地震が起きてもおかしくないということを思い出し、耐震化などの備えを進めてほしい」と話しています。