米国連大使“中東で事態悪化しないよう各国に働きかけていく”

日本を訪れているアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は18日、都内でNHKの単独取材に応じ「私たちは戦争の拡大は望まない」と述べ、イランの報復攻撃を受けたイスラエルの立場に理解を示しつつも、中東地域で事態が悪化しないよう各国に働きかけていくと強調しました。

この中でトーマスグリーンフィールド大使はイランによるイスラエルへの大規模攻撃について「イスラエルの国民に対する300発ものミサイル攻撃は事態をエスカレートさせるこれまでにない攻撃だった」と述べ、イランを強く非難しました。

そのうえで、イスラエル政府がイランへの対抗措置を検討していることについて「イスラエルの自衛権を支持しており、今後も支持していく」としてイスラエルの立場に理解を示しました。

一方で「私たちは戦争の拡大は望まない」と述べ、中東地域で事態がさらに悪化しないよう各国に働きかけていくと強調しました。

また、イスラエルがガザ地区南部のラファへの地上作戦を実行する考えを重ねて強調していることについて「民間人が保護され、安全が確保されるまでは侵攻を支持しないというアメリカの立場はこれまでも強調してきた」と指摘し、慎重な対応を求めるアメリカの立場を強調しました。

一方でアメリカは国連の安全保障理事会に提出されてきたガザ地区での停戦を求める決議案について、イスラエルの自衛権への言及が不十分だなどとして、たびたび拒否権を行使し、批判も受けてきました。

これについて、トーマスグリーンフィールド大使は「採決に拒否権を行使してきたのはアメリカだけでない」として、アメリカが人質の解放につながる即時の停戦が必要だと呼びかける決議案を提出した際に、ロシアと中国が拒否権を行使した例を挙げて反論しました。