中国・インドネシア外相会談 両国関係の強化を確認

南シナ海をめぐって中国とフィリピンなどが領有権を争う中、中国の王毅外相がインドネシアのルトノ外相と会談し、両国関係の強化を確認しました。中国としては、東南アジアでフィリピン以外の国々の取り込みを図るねらいがあるとみられます。

中国の王毅外相は、訪問先のインドネシアの首都ジャカルタで18日、ルトノ外相と会談しました。

会談後の記者会見で、ルトノ外相は、南シナ海をめぐってフィリピンなど、ASEAN=東南アジア諸国連合の一部の加盟国が中国と領有権を争っていることを念頭に「インド太平洋の安定と平和は、すべての当事者が国際法を尊重することによってのみ実現する」と強調しました。

これに対し、王外相は「ASEANの国々とともに、南シナ海を平和と協力の海にしたい」と述べ、南シナ海での紛争を防ぐため「行動規範」の策定に向けた協議を加速させたいとしました。

そのうえで、両外相は経済協力を通じた両国関係の強化を確認しました。

南シナ海をめぐってはフィリピンが中国の行動を「攻撃的だ」と非難する中、今月日米両国にフィリピンも加えた3か国の首脳会談が行われ、海洋の安全保障協力を強化していくことなどで一致しています。

中国外務省によりますと、王外相はこのあとカンボジアを訪問する予定で、中国としては、東南アジアでフィリピン以外の国々の取り込みを図るねらいがあるとみられます。