“住宅ローン世帯は負担増”日銀が金利上昇の影響を分析

日銀は、マイナス金利の解除を受けて、金利が上昇した場合の影響を分析し、家計では、預金の利息収入が増える世帯が多くを占める一方で、住宅ローンを組む世帯では支払い負担が増えるとする試算を公表しました。

日銀は半年に1度、金融分野の課題などを「金融システムレポート」としてまとめていて、18日公表した報告書では先月、マイナス金利を解除したことを受けて、金利が上昇した場合の影響について分析し試算しました。

このうち家計では、短期金利が1%上昇した場合
▽住宅ローンを組んでいない全体の7割余りの世帯では、可処分所得のうち預金の利息による収入が中央値で0.7%増えるとしています。

一方で
▽住宅ローンを組んでいるおよそ2割の世帯では、可処分所得のうち、利子などの支払い負担が中央値で1.1%増加するということです。

日銀は、年収に対する住宅ローン返済額の割合が高い世帯ほど、金利の上昇に対する影響を受けやすいとしています。

また、レポートでは企業の経営動向について、収支の見通しのデータから今後の資金繰りを分析した結果、今年度、資金不足に陥る可能性のある企業が、売上高1億円未満の零細企業で16%と、前の年度より6ポイント増えています。

日銀は、金融機関が企業への貸出金利を引き上げる動きはまだ限定的だとしていますが、中小・零細企業の資金繰りへの支援が今後、重要になると指摘しています。