日銀の野口審議委員は先月の会合で、中村審議委員とともにマイナス金利政策の解除に反対しました。
日銀 野口審議委員 今後の利上げペース“ゆっくりと予想”
日銀の金融政策を決める9人のメンバーのうち、マイナス金利の解除に反対した野口旭審議委員が講演し、賃金と物価の好循環の実現に慎重な見方を示し、今後の利上げペースについては「ほかの主要中央銀行とは比較にならないほどゆっくりになると予想される」と述べました。
野口委員は18日、佐賀市で講演し「物価も賃金も上がることはないという通念が緩みつつあるとはいえいまだに根強いことから、物価が基調的に2％近くで上昇し続けるという状況に至るまでには、相応の時間を要する」と賃金と物価の好循環の実現に慎重な見方を示しました。
そして、今後の利上げのペースについて「ほかの主要中央銀行の最近の例とは比較にならないほどゆっくりとしたものになることが予想される」と述べました。
市場では日銀の利上げのペースをめぐって、執行部や審議委員がどのような考えを持っているのかに関心が集まっています。
野口委員は会見でも賃金と物価の好循環について「本日の佐賀での経営者の方々の話でも実情は厳しいという声が非常に多くあがってきた。業種や業態ごとに、価格転嫁に対してタイムラグが大きい」と述べました。
一方、このところの円安については「すぐに終わるなら一過性のショックだが、そうではない可能性はある」と述べ、注視する考えを示しました。