能登半島地震 被災地の特産品を販売する催し 石川 加賀

能登半島地震で被災し避難を続ける人に働く場所を提供しながら、被災地の特産品を販売する催しが、石川県加賀市で開かれています。

先月開業した北陸新幹線の「加賀温泉駅」の前では、地元の温泉協議会が「能登復興市」と銘打って、被災地の特産品を週替わりで販売する催しを開いています。

今週は、羽咋市や中能登町、それに、宝達志水町の特産品を販売していて、いちじくのジャムやさつまいもチップスなどが人気だということです。

加賀市では被災した800人余りが今も2次避難を続けていますが、この催しでは、東日本大震災以降、広がってきた被災者が避難先で働く「キャッシュ・フォー・ワーク」と呼ばれる取り組みが取り入れられ、避難を続ける人が一時的に働く場所にもなっています。

愛知県の60代の男性は「ジャムなどを買いました。被災地のためになればと考え石川県に旅行に来ましたが、被災地の支援ができてよかったです」と話していました。

輪島市から避難しながらこの催しで働く井上岳登さん(20)は「私たち避難者や被災地のためにもなるのでぜひ気軽にきてください」と話していました。

この催しは来月12日まで毎日、開かれます。

買い物難しく「移動スーパー」が人気

能登半島地震の影響が続く奥能登地域では、スーパーの休業や道路の被害で高齢者などが以前のように買い物をするのが難しくなっていて「移動スーパー」が人気を集めています。

地震で大きな被害が出た奥能登地域では地元のスーパーや商店が休業したり、道路が壊れて移動が難しくなったりしていて、高齢者や体の不自由な人などが以前のように買い物をするのが難しくなっています。

こうした中、徳島県に本社がある「移動スーパー」の運営会社がサービスを展開していて、18日は輪島市内の住宅街などおよそ10か所を4時間ほどかけて回りました。

このうち輪島市市ノ瀬町では生鮮食品などを積み込んだトラックが到着すると、近くに住む人たちが冷蔵ケースに並べられた刺身や野菜を次々に買い求めていました。

80代の女性は「ひざが悪くスーパーに出かけることが大変なので、本当に助かっています。生鮮食品を見ながら『家族に何を食べさせてあげよう』などと考えるのがとても楽しいです」と話していました。

移動スーパーの販売員の道下利明さんは「少しでも栄養をとって元気でいてもらうためにこれからも販売を続けていきたいです」と話していました。

この移動スーパーは自治体の要請を踏まえ、今月23日には珠洲市と能登町の仮設住宅でも営業することにしています。