【18日詳細】対抗措置が焦点 イスラエル首相は強硬姿勢崩さず

イランによる大規模攻撃を受けたイスラエルの対抗措置が焦点となる中、ネタニヤフ首相は「自衛のために必要なことは何でも行う」と述べ、強硬な姿勢を示しています。
アメリカのABCテレビが、今月末まで続くユダヤ教の祭日が終わるまでは対抗措置に踏み切る可能性は低いと伝えるなど、時期や規模をめぐってさまざまな見方が出ています。

※日本時間4月18日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル ネタニヤフ首相「自衛に必要なこと何でも行う」

イランによる大規模攻撃を受けてイスラエル政府は連日、閣議を開いて対抗措置の検討を続けていて、ネタニヤフ首相は17日の閣議で「自衛のために必要なことは何でも行う」と述べるなど、強硬な姿勢を崩していません。

米メディア“ユダヤ教の祭日終わるまで対抗措置の可能性低い”

アメリカのABCテレビは17日、アメリカの政府高官の話として、週明けから今月29日まで続くユダヤ教の祭日が終わるまではイスラエルが対抗措置に踏み切る可能性は低いという見方を伝えていますが、「いつでも変更される可能性がある」と付け加えています。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは17日、イランとシリアの当局者の話として、イランがシリア国内の拠点から人員を退避させるなど備えを進めていると報じていて、イスラエルによる対抗措置の時期や内容をめぐってさまざまな見方が出ています。

EU首脳会議 イランへの制裁強化の方針で一致

EUは17日、首脳会議をブリュッセルで開き、イランへの制裁を強化する方針で一致しました。

EUのミシェル大統領は会合後、記者団に対し、イランの無人機やミサイルの関連企業が制裁の対象になるとしたうえで「制裁の追加はわれわれが送りたい明確なシグナルだ」と主張しました。

そして「民間人を守るためにあらゆることを行いたい」と述べました。

一方、会合後に発表された声明では「すべての当事者が最大限の自制を行い、地域の緊張を高めるような行動を慎むよう強く求める」としています。

バイデン大統領 イスラエル支援予算案の早期可決求める

アメリカのバイデン大統領は17日、有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し「イラン政府は世界で唯一のユダヤ国家であるイスラエルを地図上から消し去ろうとしている」とイランを非難しました。

そのうえで「イランがイスラエルへの攻撃を大幅に強めることに成功すれば、アメリカも巻き込まれる可能性がある」と危機感を示し、アメリカ議会に対しイスラエルへの軍事支援に関わる予算案を早期に可決するよう求めました。

G7外相会合 上川外相が双方への自制働きかけ訴えたか

イタリア南部のカプリ島で開かれているG7の外相会合は、日本時間の18日午後5時前から中東情勢をテーマにしたセッションが行われています。

イランによるイスラエルへの大規模な攻撃を受けた対応などが主な議題で、上川外務大臣は、攻撃を深く懸念し、イランが事態をエスカレートさせたと非難するとともに、双方に強く自制を働きかけることなどを訴えているものとみられます。

アメリカやドイツなどはイランに制裁を科す考えを表明しており、会合では制裁をめぐっても各国の対応が示されているものとみられます。

イスラエルがイランへの対抗措置の検討を続ける中、G7としては、事態のさらなる悪化を防ぐため結束したメッセージを打ち出したい考えです。

独と英 イスラエル首相に自制求めるも強硬姿勢崩さず

イランによる大規模な攻撃を受けたことに対しイスラエル政府は連日、閣議を開いてイランへの対抗措置の検討を続けています。

こうした中で、17日、ドイツのベアボック外相とイギリスのキャメロン外相がイスラエルを訪れて、ネタニヤフ首相と会談しました。

このうちドイツのベアボック外相は会談後の記者会見でイランを強く非難し、さらなる制裁を科す考えを示したうえで「地域が完全に予測できない状況に徐々に陥っていくことはあってはならない。いまは皆が慎重に責任を持って行動すべきだ」と述べ、イランだけでなくイスラエルに対しても自制を求めました。

これに対して、イスラエルのネタニヤフ首相は会談後に開かれた閣議で「提案や助言は感謝するが、自分たちのことは自分たちで決断する。自衛のために必要なことは何でも行う」と述べるなど強硬な姿勢を崩していません。

イスラエル北部ではヒズボラとの戦闘も激化

一方で、イスラエル北部では隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘も激化していて、イスラエル軍は16日、ヒズボラの幹部を空爆で殺害したと発表しました。

これに対して17日にはヒズボラがイスラエル北部に報復攻撃を行い、イスラエル軍は14人がけがをしたと発表しました。

ガザ地区での戦闘休止の見通しが立たない中、各地で戦闘が拡大する懸念が広がっています。