袴田巌さん再審 被害者遺族の意見陳述行われる見通しに

58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審=やり直しの裁判で、事件で亡くなった被害者の遺族の意見陳述が行われる見通しになったことが、弁護団などへの取材でわかりました。

58年前の1966年に今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審は静岡地方裁判所で審理が続いていて、検察が有罪を求める立証を行い、弁護側は無罪を主張しています。

この再審で、亡くなった被害者の遺族が意見陳述をしたいと検察に申し出たことが弁護団などへの取材でわかりました。

意見陳述は来月22日の審理で検察官が論告と求刑をする前に意見書を読み上げる形式で行われる見通しで、遺族本人は出廷しないということです。

関係者によりますと、遺族は袴田さんへの処罰感情などを伝えたいと望んでいるということです。

17日の13回目の審理のあとの会見で、弁護団の事務局長の小川秀世弁護士は「遺族の方がどういう気持ちで意見を出されるのかは分からないが、今回の再審は、袴田さんの有罪について合理的な疑いが生じた後の裁判なので疑問に思う」と話していました。

弁護団は今後、意見陳述に反対する意見書を裁判所に提出する方針だということです。