日米韓財務相会談 外国為替動向 “引き続き緊密に協議”

アメリカを訪問中の鈴木財務大臣は、日米韓3か国の財務相会談に臨み、円安やウォン安が進んでいる外国為替市場の動向について深刻な懸念を共有したうえで、引き続き緊密に協議していくことを確認しました。

G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議などに出席するためワシントンを訪れている鈴木財務大臣は、現地で17日、アメリカのイエレン財務長官と韓国のチェ・サンモク副首相兼企画財政相と会談しました。

3か国の財務相による会談は初めてで、この中では、このところの金融市場の動向や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応、それに経済安全保障などについて意見を交わしました。

終了後に発表された声明では「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識した」としたうえで、外国為替市場の動向を引き続き緊密に協議するとしています。

外国為替市場では、インフレが続くアメリカで早期の利下げ観測が後退したことを背景に、このところドルを買う動きが強まり、ドルに対して円やウォンが値下がりしていて、こうした動きに対して3か国が共同でけん制した形です。

このほか声明では、北朝鮮の弾道ミサイルのロシアへの輸出を強く非難し、直ちに停止するよう求めたほか、サプライチェーン=供給網の強じん化に向けて協力を進めていくことなども確認しました。

現地では、日本時間の午前8時ごろにG20の会議が開幕しました。

会議では緊迫化する中東情勢の世界経済への影響や、貧困と格差といった課題について意見が交わされる見通しです。

鈴木財務大臣 米イエレン財務長官と個別会談も

鈴木財務大臣は、日米韓3か国の財務相会談のあと記者団の取材に応じ「為替市場の動向についても意見交換を行い、急速な円安やウォン安について、多くの認識を3か国で共有することができた」と述べました。

また鈴木大臣は、アメリカのイエレン財務長官と個別に会談したことも明らかにした上で「為替はファンダメンタルズ=経済の基礎的条件を反映して安定的に推移することが望ましく、行き過ぎた動きについては適切に対応するという政府の今の立場を説明した。為替の動向をめぐって日米で緊密に意思疎通を図っていくことを確認した」と述べました。

G7財務相・中央銀行総裁会議 “過度な変動は悪影響”再確認

アメリカ・ワシントンではG7=主要7か国の財務相・中央銀行総裁会議も開かれ、終了後に声明を発表しました。

この中では、外国為替市場について過度な変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に悪影響を与えるというこれまでのG7の合意内容を再確認しました。

一方、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢などの地政学リスクが貿易やサプライチェーン、それに商品価格に影響を及ぼす可能性があると指摘しました。

また、ウクライナへの揺るぎない支援を確認するとともに、イランによるイスラエルに対する攻撃を非難し、武器の取得や生産などの能力を低下させるためあらゆる措置について、緊密な連携を確保していくとしています。