【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ国防省 “ロシア国内の軍司令部などに攻撃計画”

ロシア軍が前線で攻勢を強める中、ウクライナ国防省の情報当局のトップは、ロシア人の協力者と連携してロシア国内の軍需産業や飛行場、軍の司令部などを標的にした攻撃を計画していると明らかにしました。

これはウクライナ国防省のブダノフ情報総局長が、17日に掲載されたアメリカの有力紙ワシントン・ポストとのインタビューで明らかにしたものです。

それによりますと、ブダノフ局長はロシア国内で活動するロシア人の協力者と連携して攻撃を計画しているとしています。

具体的には「軍需産業や重要な軍事施設、飛行場、軍の司令部といったさまざまな対象を含むことになる」としていて、ロシア軍が前線で攻勢を強める中、その背後のロシア国内で相手の軍事力をそぐことが目的だとしています。

ゼレンスキー大統領 “クリミアのロシア軍飛行場を攻撃”

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の演説で、ロシアが一方的に併合した南部クリミアにあるロシア軍の飛行場をウクライナ軍が攻撃したと明らかにしました。

この攻撃について、ロシアからの解放を掲げるクリミアの組織は、飛行場内に設置してあったロシア軍の最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」に損害を与えたとSNSに投稿しています。

ゼレンスキー大統領は「ロシア軍の装備や軍事インフラを破壊する極めて重要な作戦」を遂行したとして兵士を称賛しています。

米下院議長“ウクライナ支援の緊急予算案 20日採決目指す”

アメリカ議会下院は17日、ウクライナ、イスラエル、それに台湾などへの支援について、それぞれの緊急予算案を公表しました。

ウクライナへの支援はおよそ600億ドル、日本円にして9兆2000億円あまりとなっていて、支援の一部は返済義務がある借款の形をとるとしています。

また、イスラエルへの支援はおよそ260億ドル、日本円にして4兆円あまり、台湾などインド太平洋地域へはおよそ80億ドル、日本円にして1兆2000億円余りとなっています。

共和党のジョンソン下院議長はこれらの予算案について、今月20日に議会下院での採決を目指す考えを明らかにしました。

バイデン大統領は「一連の予算案を強く支持する」とする声明を出し、議会の上下両院に可決を急ぐよう求めました。

議会下院では、イランがイスラエルに大規模な攻撃を行ったことを受けてイスラエルへの支援を早急に進めるべきだという声も強まっていました。

ウクライナ支援に消極的な共和党の一部議員が強く反発

ただ、ウクライナへの支援をめぐっては支援に消極的な共和党の保守強硬派の一部の議員が強く反発し、ジョンソン議長の解任を求める構えも見せていて、予算案が可決されるかどうかは依然として不透明な状況です。

上川外相 ウクライナ外相と会談 “支援策を着実に実施”

G7=主要7か国の外相会合に出席するためイタリア南部のカプリ島を訪問している上川外務大臣は、招待国として参加しているウクライナのクレバ外相と、日本時間の午後4時前からおよそ30分間会談しました。

冒頭、上川大臣は「厳しい状況が続き、日々のニュースを固唾を飲んで見守っている。ウクライナの皆さんの勇気と忍耐強さに心から敬意を表したい」と述べました。

そのうえで、先週の日米首脳会談でもウクライナ情勢は主要なテーマとなったことに触れ、ウクライナを支える結束は揺るがないことを今後もあらゆる機会を通じて示していくと強調しました。

また、ことし2月に東京で行われた「日・ウクライナ経済復興推進会議」で合意した支援策を着実に実施していく考えを伝えました。

これに対し、クレバ外相からは謝意が示され、両外相は引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

BBC “ロシア兵の死者数5万人超え”

ウクライナへの侵攻後、確認できたロシア兵の死者の数が5万人を超えたとイギリスの公共放送BBCが独自調査の結果として伝えました。

イギリスの公共放送BBCは、ロシアの独立系メディア「メディアゾナ」と独自の共同調査を行った結果、おととし2月に始まったウクライナ侵攻以降、ロシア兵の死者の数が5万人を超えたことを確認したと伝えました。

このうち侵攻2年目は、1年目を上回る2万7300人以上が死亡したとし、ロシアが兵士の犠牲をいとわずに攻撃し、占領地を広げていると指摘しています。

調査は、新たに作られた墓で戦死者の名前を確認したほか、報告書や報道、SNSなどの公開情報をもとに行ったとしています。

ロシア軍の死者数についてロシア国防省はおととし9月の時点で5937人と発表しましたが、それ以降、更新していません。

一方、ウクライナ軍の死者についてゼレンスキー大統領はことし2月、3万1000人に上ったと明らかにしています。

こうした中、ウクライナ北部チェルニヒウでは17日、市の中心部にロシア軍のミサイル攻撃があり、ウクライナ当局によりますとこれまでに17人が死亡し、60人がけがをしました。

この攻撃についてゼレンスキー大統領は「ウクライナが十分な防空システムを受け取ることができ、世界がロシアのテロに立ち向かう決意があればこうしたことは起きなかった」として、欧米各国に防空システムを強化するための支援を呼びかけました。

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は17日、記者会見し、ゼレンスキー大統領も参加して19日に会議を開き、ウクライナの防空能力の強化に向けた支援などについて協議すると発表しました。