性別変更した当事者 娘との親子関係求めた裁判 最高裁で弁論へ

戸籍上の性別を男性から女性に変更した当事者が、性別変更の前に凍結保存した自分の精子を使ってもうけた2人の娘との親子関係を求めた裁判について、最高裁判所は来月に弁論を開くことを決めました。性の多様性をめぐって議論される中、親子関係について新たな判断が示されるか注目されます。

40代の当事者は性同一性障害と診断され、6年前に戸籍上の性別を男性から女性に変更し、性別を変更する前に凍結保存していた自分の精子を使って、30代の女性との間に2人の娘をもうけました。

娘たちについて「父親」としての認知届を自治体に出しましたが、戸籍上は女性のため認められませんでした。

これを不服として家族で裁判を起こしましたが、1審の東京家庭裁判所は「今の法制度で法的な親子関係を認める根拠は見当たらない」として訴えを退けました。

一方、2審の東京高等裁判所は性別変更の前に生まれた長女については「父親」としての認知を認め、変更後に生まれた次女については認めませんでした。

このため次女側が上告していたところ、最高裁判所第2小法廷の尾島明裁判長は17日、判決を変更するのに必要な弁論を来月31日に開くことを決めました。

次女との親子関係を認めなかった2審の判断が見直される可能性があります。

性の多様性をめぐって議論される中、親子関係について新たな判断が示されるか、注目されます。

代理人を務める仲岡しゅん弁護士は、「親の性別にかかわらず子どもの権利が認められるような判決を望みます」とコメントしています。