円相場 1ドル=154円台後半まで値下がり

17日の東京外国為替市場、アメリカで早期の利下げ観測が後退したことなどから円相場は1ドル=154円台後半まで値下がりしました。

16日にアメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が、利下げに踏み切るまでにはさらに時間を要するという認識を示したことを受け、17日の東京市場でもアメリカで利下げの始まる時期が遅れるという見方からドル買い円売りが進行しました。

午後5時時点の円相場は、16日と比べて、22銭円安ドル高の1ドル=154円61~63銭でした。

ユーロに対しては、16日と比べて36銭円安ユーロ高の1ユーロ=164円28~32銭でした。

ユーロはドルに対して1ユーロ=1.0625~26ドルでした。

市場関係者は「日米の金利差が意識されたことで、ドルを買って円を売る動きが強まり、円相場は1ドル=154円台後半まで値下がりした。日本時間あすから始まるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議に先だって日米韓の3か国の財務相が会談する予定となっているため、為替に関する発言があるかに市場の関心が集まっている」と話しています。

日商会頭 “日に日に度合い高まり非常に困ったこと”

日本商工会議所の小林会頭は、17日の記者会見で「今の円安は非常に困るし、その度合いが日に日に高まってきている。中東情勢もあって資源の価格が上がり、為替とダブルで効いてくるので非常に困ったことだ」と述べました。

そのうえで、「大企業は海外の資産や収益があり、輸出もある程度伸びるのでいいが、中小企業は輸出の比率が小さく、原材料高の影響をまともに受けるので、大企業とは正反対だ」と述べ、円安によるマイナスの影響は、大企業よりも中小企業のほうが大きいという見方を示しました。

そのうえで、「賃上げとデフレ脱却に向けた好循環を無にしないように、政府一丸となって為替のことはお願いしたい。ほかの国との協調介入も含めて考えてもらいたい」と述べ、政府に対応を求めました。

林官房長官「為替市場の動向を注視しつつ万全の対応行う」

林官房長官は、午後の記者会見で「為替相場はファンダメンタルズ=経済の基礎的条件を反映して安定的に推移することが重要で、過度な変動は望ましくない。政府としては為替市場の動向をしっかりと注視しつつ、万全の対応を行っていきたい」と述べました。