高崎市 遮断機と警報機ない第4種踏切廃止へ 女児死亡事故受け

群馬県高崎市の踏切で9歳の女の子が列車にはねられて死亡した事故を受け、高崎市は、現場と同じ遮断機と警報機がともにない「第4種踏切」をすべて廃止する方針を決めました。

4月6日、高崎市にある上信電鉄の踏切で、近くに住む9歳の女の子が列車にはねられて亡くなりました。

現場の踏切は遮断機と警報機がともに設置されていない「第4種踏切」で、上信電鉄によりますと、同様の踏切は高崎駅と下仁田駅の間の路線に45か所あり、このうち半分近い21か所が高崎市内にあります。

事故を受け、高崎市は21か所の「第4種踏切」をすべて廃止する方針を決めました。

具体的には、地元から廃止の合意が得られれば、踏切自体をなくして通行できなくする一方、合意が得られなければ、遮断機と警報機が設置される「第1種踏切」に変更するとして、必要な予算を来年度以降の5年間で確保する方針です。

「第1種踏切」に切り替えるための費用について、市は上信電鉄には求めず、国の補助金を活用しながら負担することにしています。

高崎市の富岡賢治 市長は「命に関わることなので、速やかに対応することを決めた」というコメントを出しました。

斉藤国交相「第4種踏切は安全性向上が重要課題と認識」

高崎市の踏切で起きた事故について、斉藤国土交通大臣は16日の閣議のあとの記者会見で「お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げます」と述べました。

そのうえで「国土交通省としても第4種踏切は安全性の向上が重要な課題であると認識している。これまで全国的に第4種踏切の統廃合の促進、遮断機警報機の整備の支援による第1種踏切化の促進などを、関係者とともに進めてきている」と述べました。

そして、17日に関東運輸局と関係自治体、鉄道事業者などでつくる協議会を開催し、群馬県内の第4種踏切の統廃合や、遮断機と警報機の設置を進めるための、検討を行う考えを明らかにしました。

斉藤大臣は「事故原因は調査中ではあるが、運輸安全委員会の報告を待たず、事故の概要を共有し、検討を行いたい。引き続き踏切の安全対策を着実に進めていきたい」と話しました。

踏切の種類 第1種踏切~第4種踏切とは

国土交通省によりますと踏切は、2023年3月末の時点で、全国で3万2000か所余りあり、設備によって4種類に分けられています。

このうち、事故があった群馬県高崎市の踏切は、
▽遮断機と警報機がともにない「第4種踏切」で、全国に2408か所あります。

また、
▽警報機が設置されているものの、遮断機がない踏切は「第3種踏切」と呼ばれ、592か所あります。

▽「第2種踏切」は、配置された人が遮断機を操作するもので、現在は設けられていません。

そして、
▽「第1種踏切」は、遮断機と警報機がともに設置されている踏切です。

「第4種踏切」から「第1種踏切」に切り替えるには多額の費用がかかり、高崎市は、1か所あたり1500万円から3000万円程度かかると見込んでいます。