米中高官 関係安定化で一致も 南シナ海情勢で中国が米をけん制

アメリカと中国の外交当局の高官が北京で会談し、両国関係のさらなる安定化で一致するとともに、近く予定されている米中外相会談に向けた調整も行われたとみられます。一方で中国側は南シナ海情勢などをめぐってアメリカ側をけん制しました。

中国外務省の馬朝旭次官は、アメリカ国務省で東アジアなどを統括するクリテンブリンク国務次官補と15日、北京で会談しました。

中国外務省によりますと、この中で双方はあらゆるレベルで交流を維持し、両国関係をさらに安定させ、発展させることで一致したということです。

バイデン政権の高官は、ブリンケン国務長官が近く中国を訪問する予定を明らかにしていて、ブリンケン長官と王毅外相との会談についても調整が行われたとみられます。

一方、中国側は、アメリカと日本、フィリピンの3か国の首脳会談を念頭に「小さなグループをつくって南シナ海情勢をかき乱している」とアメリカ側をけん制しました。

その上で、アジア太平洋地域の平和と安定を破壊しないようアメリカ側に求めるとともに、台湾情勢や、経済などの問題について中国側の立場を明らかにしたということです。

中国としては、米中外相会談を前に南シナ海や台湾情勢などをめぐって関与を強めるアメリカ側に改めてくぎを刺すねらいがあるとみられます。