大谷翔平 ダルビッシュ有の前に3打数無安打 松井裕樹が2勝目

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手とパドレスのダルビッシュ有投手が直接対決し、3打席をノーヒットに抑えたダルビッシュ投手に軍配が上がりました。試合はパドレスが勝ち、リリーフで好投した松井裕樹投手が、大リーグ2勝目を挙げました。

ドジャースとパドレスの試合は14日、ドジャースの本拠地、ロサンゼルスで行われ、日本選手の最多ホームラン記録更新に王手をかけている大谷選手と日米通算200勝まであと4勝に迫るダルビッシュ投手が開幕戦以来、今シーズン2回目の直接対決となりました。

開幕戦では2打席でヒット1本という結果でしたが、この日は1回の第1打席、大谷選手は追い込まれてから、ファウルで粘ったものの7球目のカットボールを空振りし三振に倒れました。

3回の第2打席は変化球を打ってサードフライで、5回の第3打席ではダルビッシュ投手が鋭いカットボールで三振を奪い、この日の直接対決は3打席をノーヒットに抑えたダルビッシュ投手に軍配が上がりました。

大谷選手は、このあと8回の第4打席で4人目のリリーフピッチャーからセンター前ヒットを打ち、4打数1安打で打率は3割3分8厘となりました。

一方、1点リードの4回にスリーランホームランを打たれて逆転を許したダルビッシュ投手は5回でマウンドを降り、球数は92球、打たれたヒットが4本、奪った三振は2つで3失点という結果でした。チームは6回に同点に追いつき、ダルビッシュ投手に勝ち負けはつきませんでした。

また、パドレスの松井投手は6回2アウト一塁の場面から3人目でマウンドに上がり、打者1人を打ち取ると、直後の7回に味方打線が3点を勝ち越しました。

松井投手はそのウラも無失点に抑え、試合はこのままパドレスが6対3で勝ったため松井投手が勝ち投手となり大リーグ2勝目を挙げました。

ダルビッシュ「『ボールばっかりでごめんね』と声をかけた」

ダルビッシュ投手は、大谷翔平選手との2回目の直接対決について「あそこだけ思いっきり投げた感じになったが2打席目でアウトを取ったあと、大谷選手がダグアウトに戻るときに『ボールばっかりでごめんね』と声をかけた。ちゃんと勝負ができていなかった感じがしたので申し訳なく思っている」と振り返りました。

一方で、チームメートの松井投手が好投し2勝目を挙げたことについては「1年目からすごく難しい登板が続いていると思うが、それでも元気に楽しくやっていて、結果も出ているので見ていてすごくうれしい」と話していました。

“大谷が笑顔で前向きにやっているのを見ると 自分も元気に”

ダルビッシュ投手は、雨でぬかるんだマウンドの土がスパイクにこびりつく難しい状況でのピッチングになりましたが、大谷選手には、この試合最速の152.7キロをマークするなど気合いの入った内容で、3打数ノーヒットに抑えました。

大谷選手は、次に打つ今シーズン5号のホームランが、大リーグの日本選手の最多記録を更新する176本目になるため、どのボールが使われたのか識別できるよう、試合では大谷選手の打席だけ特別なボールが使われています。

これについて、ダルビッシュ投手は「数字とアルファベットが書いてあって、なんだこれ、と。ドジャースが何かやっているのかと思った」と笑顔を見せたうえで、「記録もわかっていたし、だからこそ思い切り勝負したかった。ドジャースとの対戦で、その中でもやっぱり大谷君と対戦するところで、モチベーションはすごく感じているところなので、それが結果になったと思う」と対戦を振り返っていました。

また、前日の試合前には、山本由伸投手も含めてグラウンドで3人で15分ほど話し込む場面もあり、「大谷君も結婚もされて、いろいろ肩の荷が下りたじゃないけど、たぶん隠さなくていいところが増えたと思うし、だからすごく明るい感じもする。今、いろんな事があると思うが、そんな中でも野球に集中して笑顔で前向きにやっているのを見ると、自分も元気になるので、話せてよかった。楽しかったです」と話していました。

松井裕樹「中継ぎの勝ちは運 チームが勝ててよかった」

大リーグ2勝目を挙げた松井投手は「中継ぎの勝ちは運なので、本来なら先発ピッチャーに勝ちがつくのが、僕たちは一番うれしい。何より、チームが勝ててよかった」と話しました。

ここまで18試合を終えて、10試合に登板している松井投手は「初めての経験だしこれからもっともっといろいろな相手と戦って、いろいろな球場で試合をして環境も変わってくるので、アジャストできるようにしっかりと準備したい」と今後に向けた意気込みを話していました。

大谷は2日ぶりのキャッチボール 手術後初の外野手用グローブ

大谷選手は試合前の練習で2日ぶりにキャッチボールをして体を動かし、去年9月の手術後初めて外野手用のグローブを使いました。

ふだんはバッターからボールの握りが見えないようにポケットが革で覆われている投手用のグローブを使っていますが、この日はポケットが網目状になっている外野手用のグローブを使い、15メートルほどの距離で56球を投げました。

今シーズンはバッターに専念することになっていますが、大谷選手はキャンプ中から自分のロッカーに外野手用のグローブとファースト用のミットを用意していて、2月に質問された際には「そういうこともあるかもね、という。みんなに言えることですけど。そうなってからでは遅いので、事前の準備がどういう時も大事だと思います」と話していました。

ただ、今後外野手としての守備練習をしていくかについては「まだその段階ではないかなと。投げられなければすることもないですし、そこは優先事項から外れている」と話し慎重な姿勢を示していました。