シャインマスカット “未開花症”相次ぐ 排水の悪さなど影響か

ぶどうの高級品種シャインマスカットについて、長野県や山形県など全国の生産地では花がうまく咲かず、粒が変形するなどの「未開花症」が相次いで発生しています。国の研究機関が分析したところ、排水の悪さや土の養分のバランスが影響しているとみられることが分かりました。

農林水産省によりますと、シャインマスカットは高級品種として販売されるため各地で栽培が増えていますが、春になっても花が咲かず、その後、粒がつかなかったり変形したりする「未開花症」の発生が相次ぎ、去年までに全国30の産地で確認されています。

このうち、令和3年の国の調査で栽培面積が全国で最も広い長野県では、1年で100件以上の発生例が報告された年もあり、品質や収穫量に影響が出ています。

このため、国の研究機関「農研機構」は昨年度、長野県や山梨県、それに山形県などあわせて5つの産地と共同で原因の解明に向けた研究を行いました。

その結果、排水が悪く土壌が粘土質などのために湿っていると発生しやすく、土の中に含まれるカリウムやマグネシウムなどの養分のバランスが崩れていると重症化するとみられることが分かりました。

農研機構と長野県などは、さらに詳しい発生原因を解明して対策につなげることにしています。