沖縄 王の肖像画「御後絵」修復方法検討へ 近く専門家会議設置

太平洋戦争末期の沖縄戦の混乱の中で流出し、3月、アメリカから沖縄県に返還された琉球王国時代の王の肖像画「御後絵」(おごえ)について、県は近く専門家会議を設置して顔料などを詳しく分析し、修復方法の検討を進めることにしています。

戦前、那覇市首里の邸宅で保管されていた琉球王国時代の王の肖像画「御後絵」は、沖縄戦の混乱で行方が分からなくなっていましたが、去年、ほかの文化財とともにアメリカで見つかり、3月、沖縄県に返還されました。

県によりますと、御後絵は3枚に分割されたものも含めて4点あり、このうち2点は十三代 尚敬王と、十八代 尚育王と見られています。

県によりますと、御後絵は戦前に撮影された白黒の写真が残されていたのみで色彩が明らかになったのは、戦後、初めてだということです。

絵には損傷している箇所もあるため、県は近く絵画や歴史の専門家でつくる会議を設置し、使われている顔料や技法を詳しく分析したうえで保存に向けた修復方法の検討を進めることにしています。

御後絵の実物に初めて科学的な分析が行われることで、県は、琉球・沖縄の美術史や文化史の研究を進める重要な手がかりになると期待を寄せています。

今回返還された御後絵などの文化財は、一部を除いて4月末以降、報道関係者に公開されるということです。