“まとい”をバトンに火消しの伝統行事「走りやんこ」福井

消防団の団員たちが火消しのシンボル「まとい」をリレーのバトン代わりにして町なかを駆け抜ける福井県勝山市の伝統行事「走りやんこ」が行われました。

「走りやんこ」は「かけっこ」を意味する福井県奥越地方の方言で、江戸時代の火消しの訓練が始まりとされる恒例行事です。

ことしは地元の消防団員160人余りが11のチームに分かれて参加し、勝山市の町なかを巡る全長2.6キロのコースでスピードを競いました。

消防団員たちは重さが3キロほどもある火消しのシンボル、「まとい」を手に持って全力で道を駆け抜け、リレーのバトン代わりに次の走者に託していきました。

1番の難所とされるゴールに近い中継点では、高さ5メートルほどの斜面の上で待つ次の走者にまといを投げて渡すのが見どころです。

空中に投げ上げられたまといを次の走者がしっかりつかみ取ると、見物に集まった家族や近所の人たちからは大きな拍手が送られました。

参加した消防団員は「全力で走るのは久しぶりなので疲れましたが、最後まで走り切れました。ことしは若い団員も加入してくれましたし、全員が一丸となって取り組んでいきたいです」と話していました。