ミャンマー 少数民族の武装勢力 タイ国境の貿易拠点制圧を発表

ミャンマーで軍との戦闘を続ける少数民族の武装勢力は、タイとの国境にある重要な貿易拠点の町を制圧したと発表しました。軍にとっては3年前のクーデター以降、最大の痛手となりました。

ミャンマー南東部ではクーデター後、実権を握る軍と、少数民族のカレン族の武装勢力、KNU=カレン民族同盟などが激しい戦闘を続けています。

こうしたなかKNUは12日、タイとの国境にある重要な貿易拠点の町ミャワディを含む地域を制圧したと発表しました。

声明文でKNUは「ミャンマーとタイとの国境地域の双方の人たちに平和と安全を築くため、タイ政府と協力していく」としていて、タイとの人や物の行き来を妨げず貿易を続ける方針を示しました。

国境の川を挟んだミャワディの対岸ではタイ軍が警戒にあたっているほか、多くのミャンマー人が検問所につめかけていて、「タイ側にいる方が安心です」などと話していました。

ミャンマーでは去年秋以降、少数民族と民主派勢力が協力して各地で軍への攻勢を強め、西部ラカイン州のバングラデシュとの国境周辺や、北部カチン州の中国と接する国境の町をすでに掌握しています。

今回、タイとの重要な貿易拠点も失ったことは軍にとっては3年前のクーデター以降、最大の痛手で、今後の情勢に影響を与える可能性があります。