米軍が日米韓の共同訓練を異例の公開 連携を広く示すねらいか

アメリカ軍は、日本周辺の東シナ海で自衛隊と韓国軍と共同で行っている訓練をメディアに公開しました。日米韓の共同訓練が公開されるのは異例で、北朝鮮や中国などを念頭に3か国の連携を広く示したいねらいがあるとみられます。

アメリカ海軍と海上自衛隊、韓国海軍は11日と12日の2日間の日程で、沖縄本島の北の東シナ海で共同訓練を行っています。

原子力空母「セオドア・ルーズベルト」など日米韓の艦艇あわせて6隻が参加していて、アメリカ軍は空母から戦闘攻撃機が発艦する様子などを3か国のメディアに11日、公開しました。

訓練では潜水艦の探知やけが人の捜索救難などを想定して情報共有の手順などを確認したということです。

アメリカ海軍第9空母打撃群のクリストファー・アレクサンダー司令官は「西太平洋の平和や安定を目指す3か国が演習を行うことに意義があり、あらゆる危機や不測の事態に対応する準備が整う」と話していました。

海上自衛隊によりますと、日米韓の共同訓練がメディアに公開されたのは少なくともこの5年ではなく、異例だということで、今回、アメリカ軍が公開した背景には、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮や海洋進出の動きを強める中国などを念頭に、3か国の連携を広く示したいねらいがあるとみられます。

林官房長官「日米韓3か国の協力を力強く推進」

林官房長官は午後の記者会見で「わが国を取り巻く安全保障環境がより一層厳しさを増す中、日米同盟の抑止力と対処力を強化するとともに、地域の安全保障上の課題に対応するため、日米韓3か国の協力を力強く推進し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くという3か国のコミットメントを示すものだ」と述べました。