“世界最大の選挙” 有権者10億人近く インド総選挙まで1週間

有権者が10億人近くにのぼり、世界最大の選挙と言われるインドの総選挙の開始まで1週間となりました。モディ首相率いる政権与党とこれに対抗する野党側が格差や若者の雇用などを争点に激しい選挙戦を繰り広げています。

任期満了にともなうインドの議会下院の選挙は、今月19日から、全国の選挙区を7つに分けて6月1日まで順次投票が行われます。

有権者がおよそ9億7000万人にのぼるほか、投票所も100万か所以上設置され、世界最大の選挙になると言われています。

前回5年前の総選挙でインド人民党を率いて圧勝したモディ首相は、強いリーダーシップで経済成長をけん引し、全国的に高い人気を誇り、今回、3期目を目指します。

これに対抗して、最大野党の国民会議派などは野党連合を結成し、経済発展のかげで格差が拡大し、若者の雇用も十分に確保されていないなどと批判を強めています。

開票は6月4日に一斉に行われます。

選挙グッズの準備に大忙し

インド各地では、選挙グッズの準備が急ピッチで進んでいます。

首都ニューデリーの専門店では、25年前から各政党のシンボルマークをあしらった選挙グッズを販売していて、店内には選挙集会などで配られる旗や帽子、バッジなどの商品が所狭しと並んでいます。

各地の政党から注文が相次いでいるということで、店は5年に1度のかき入れ時を迎えています。

店主のカトゥリアさんは「選挙戦ではインド人民党と国民会議派の2大政党が対立していて、この2政党を中心にグッズも売れています」と話していました。

こうした選挙グッズの生産現場も大忙しで、北部ウッタルプラデシュ州にある縫製工場では、普段は伝統衣装のサリーの製造にあたっている作業員たちが政党の旗づくりに追われています。

工場長は「選挙キャンペーンでもっともよく使われるのが旗です。政党の運動員たちは、こうした旗を各住宅の外に掲げるなどして支持を広げています」と話していました。

激しい選挙戦が行われる中、各政党はあの手この手で1人でも多くの有権者から支持を取り付けようとしています。